今週、史上初となる米国と北朝鮮の間の首脳会談がシンガポールで開催されました。
トランプ大統領と金正恩・国務委員長が直接話し合い、「朝鮮半島の完全な非核化」に向けた意思を、改めて両首脳が署名する共同声明の形で確認したことは極めて重く、
北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的な解決に向けた重要な一歩となりました。
この共同声明には、非核化を「迅速に」進めていく、とも明記されている通り、北朝鮮から迅速な具体的行動を引き出していくことが重要です。

引き続き、米国と緊密に連携しながら、北朝鮮に対して安保理決議の完全な履行を求め、
核を含む全ての大量破壊兵器、あらゆる射程の弾道ミサイルの廃棄を実現し、
北東アジアに真の平和をもたらす方針で臨んでいきます。

また、我が国にとって重要な拉致問題について、トランプ大統領から実際にしっかりと言及していただいたことも大きな成果です。
拉致問題は、トランプ大統領の強力な支援を得ながら、日本が北朝鮮と直接向き合い、主体的に解決していかなければなりません。
今回の米朝会談での成果の上に立ち、拉致問題においても北朝鮮の誠意ある対応をしっかりと引き出していく決意です。

米朝首脳会談にあたっては、会談前日と会談直後に、安倍総理とトランプ大統領は直接電話会談を行い、しっかりと方針のすり合わせを行いました。
私もこれらの電話会談に同席しましたが、首脳間の率直かつ緊密な意志疎通に裏付けられた現在の日米関係がいかに強固なものかを常々実感しています。
現在の強固な日米同盟を通じた圧力こそが、北朝鮮の変化に繋がったと言えます。

北朝鮮問題は一回の会談で解決する問題ではなく、いまだ楽観できません。
今後とも、日米韓を中心に、中国やロシアなどの国際社会と力を合わせて、北東アジアの平和と安定のために責任を果たしてまいります。