今週、私が本部長を務める「国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部」において、
2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据えた「テロ対策推進要綱」を決定しました。

現下の国際テロ情勢をみると、欧米諸国で、テロ組織の過激思想の影響を受けた「ホームグローン・テロリスト」によるテロや、車両等を利用したソフトターゲットに対するテロが多数発生するなど、依然として極めて深刻な状況にあります。

テロ対策は、国際社会が結束して対処すべき喫緊の課題です。
特に、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控える我が国は、国際社会と緊密に連携し、対策に万全を期さなければなりません。

テロは水際で食い止めるのが最善であり、「情報」の収集が非常に重要です。
このため約2年前に「国際テロ情報収集ユニット」を設置し、官邸を司令塔とする情報収集体制を強化しました。
今回決定した「テロ対策推進要綱」では、この体制を更に増強するとともに、
省庁横断の新組織「国際テロ対策等情報共有センター」を来年の夏ごろを目途に創設することとしました。
組織の縦割りを廃し、テロ対策を効果的に推進するため、内閣官房、外務省や警察庁など11省庁の職員が省庁横断的にテロ関連情報を共有して分析し、テロ容疑事案などの解明に当たることとしたものです。
また、それぞれ、2年後、3年後に迫ったこれらの大会では、多くの観客が公共交通機関を利用し、競技会場に集まることが予想されることから、ソフトターゲット対策に万全を期すこととしています。

今年6月に改正組織犯罪処罰法により「テロ等準備罪」が新設されたことも、テロ対策強化に大きな意義があります。
国際組織犯罪防止条約は、それまで世界187の国・地域が締結していましたが、日本はごく少ない未締結国でした。
法律の成立によって条約の締結がかない、国際社会と一層連携して、国境を超えて活動するテロなどの組織犯罪について情報収集や捜査協力をより効果的に実施することが可能になりました。
同時に、年々増加するサイバーテロへの対策強化も必要です。

決定した「要綱」の諸対策を、スピード感を持って、実行に移しテロ対策を強力に推進して参ります。