今週、私が「政治の師」と仰ぐ故梶山静六官房長官の墓参りをしました。
私が衆議院に初当選したときに、静六先生は官房長官でした。
その後、派閥を離脱しての総裁選出馬など行動を共にする中で、政治家としての気構えや、大切にすべきことを教えていただきました。
官房長官になってから著書を読み返しましたが、20年前に現在のような人口減少社会での経済・財政を予見されていたことに改めて感じ入りました。
初当選直後、静六先生から「右肩上がりの時代と違って国民に負担を強いる政策が必要となり、これからの与党の国会議員は国民に必要性を説明して理解してもらわなければならない。これからの政治家には覚悟が必要だ」
と叱咤激励されたことが今でも強く印象に残っています。

これまで政治家としての節目節目に何度もお参りしてきましたが、
ご子息の梶山弘志議員が入閣され、内閣で一緒に仕事をすることになったことを、梶山大臣とともに墓前に報告してきました。
静六先生は「愛郷無限」を政治信条とされ、ふるさとを愛することが国をよくすることだと常々おっしゃっていて、
自治大臣の時に、地域の自主性を引き出すために、ふるさと創生事業を実行されました。
今回の内閣改造で梶山弘志議員が、理念を同じくする「地方創生」の担当大臣として初入閣され、
私が官房長官として共に仕事をすることになったことに、強い縁を感じ、非常に深い感慨があります。

また、静六先生は沖縄の方々に寄り添って沖縄の基地負担軽減に熱心に取り組まれました。
日米で米軍基地の返還、騒音軽減などを合意した「SACO最終報告」が取りまとめられた時の官房長官でした。
その後、基地負担の軽減はなかなか進んできませんでしたが、
安倍内閣が発足してから大きく前進させることができています。
日米で初めて返還時期を明示する形で嘉手納以南の米軍基地の返還計画を発表し、
普天間飛行場の移設先となる辺野古沖の埋め立ての許可をいただいて工事が始まり、
西普天間住宅地区や、市民生活に重要な市道用地となる普天間飛行場の一部、
さらには本土復帰後最大の返還となる北部訓練場約4千ヘクタールの返還を実現させてきました。
しかしまだまだ沖縄の皆さんに、多くの負担があることは事実です。
静六先生は、沖縄に寄り添い、政府としてできることはすべて行う、そうした思いをお持ちでした。
私も沖縄基地負担軽減担当大臣として、遺志を継ぎ「できることはすべて行う。目に見える形で実現をする。」という方針で取り組んでいきます。