今週、伊勢志摩において主要先進国7カ国会合(G7サミット)が開催されました。

日本、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、カナダという、自由、民主主義、人権といった基本的価値を共有するG7の首脳が一同に会しました。
安倍総理が議長としてリーダーシップを大いに発揮し、世界が直面するさまざまな課題についてのG7としての明確なメッセージを、
「G7伊勢志摩首脳宣言」の形で、伊勢志摩から世界へとしっかりと発信できたことは大変大きな成果です。

最大のテーマは世界経済でした。
金融、財政、構造政策の3本の矢のアプローチの重要な役割を再確認しつつ、
(1)経済政策による対応を協力して強化すること、
(2)世界的な需要を強化し、供給上の制約に対処するため、金融・財政政策と構造政策の3つの政策手段を総動員すること、
特に、機動的な財政戦略の実施と構造政策を果断に進めることについて、G7が協力して取組を強化することの重要性に合意しました。

また、日本がこれまで率先して取り組んできた「質の高いインフラ投資」「保健」及び「女性」を優先的なテーマとして取り上げ、G7首脳はベトナムなどのG7以外の7カ国の首脳や国際機関の長との間でも集中的に議論しました。
これらの結果、世界経済、貿易、質の高いインフラ投資、女性、サイバー、課税逃れなどの腐敗といった具体的な分野でG7としての行動をまとめた「G7伊勢志摩経済イニシアティブ」に合意。
G7が世界経済を牽引するとの明確な姿勢を発信することができました。

さらに政治外交問題についても、海洋安全保障や北朝鮮問題といったアジアの議題を重点的に議論し、G7として連携して取り組んでいくことで一致しました。

サミット終了後には、安倍総理とオバマ大統領は被爆地広島を訪問しました。
両首脳は広島平和記念資料館を視察した後、原爆死没者慰霊碑に献花し、犠牲となられた方々を追悼しました。
さらに、両首脳は、慰霊碑の前でそれぞれのメッセージを世界に向けて語りかけ、原爆ドームを視察しました。
また、オバマ大統領が数名の被爆者の方々と直接言葉を交わすという感動的な場面もありました。
アメリカの現職大統領として初めての被爆地訪問は、被爆の実情を大統領ご自身の目と心でしっかりと感じる機会となり、
「核兵器のない世界」を目指す両国の決意を世界に示すという、後世の世界の歴史に必ずや深く刻まれるであろう極めて重要な機会となりました。

サミットには、約6千人もの報道関係者が事前登録するなど、世界中から大きな注目を集めました。
先週、私はサミットの国際メデイアセンターの開所式に出席し、会場や警備状況を視察しましたが、
特筆すべきは、英虞湾の島々が織り成す、緑に溢れた日本らしい美しい自然です。
美しい風景に加え、伊勢神宮や豊かな「食」といった文化や伝統、さらには介護ロボットや8Kテレビなど日本の先端技術など、日本の魅力を世界中に発信することもできました。

議長国としてとりまとめたG7合意を踏まえ、経済をはじめとして政策を着実に実行し、世界の平和と繁栄に一層貢献してまいります。