先週、安倍総理はインドを訪問してモディ首相との首脳会談に臨み、インド初の高速鉄道建設に日本の新幹線方式を採用する協力覚書が署名されました。
官民挙げて受注に取り組んできた大きな成果です。

新興国を中心とした世界のインフラ需要は膨大で、今後も大きな伸びが見込まれています。
交通、エネルギー、情報通信、生活環境等のインフラシステムを輸出することは、受注そのものに加えて、日本企業の進出拠点整備やサプライチェーンの強化、さらには外交的地位の向上など、複合的な効果が期待できます。
しかし、インフラ受注の国際競争は熾烈を極め、日本企業の製品の品質の良さ、技術の高さだけでは受注につなげることができません。
安倍内閣では、インフラ輸出を成長戦略の大きな柱と位置づけ、私、官房長官を議長とする「経協インフラ戦略会議」を先頭に、官民一体となって戦略的な取り組みを進めています。

今回、覚書が締結されたインドのムンバイ—アメーダバード間、約500kmの高速鉄道についても、総理をはじめとする外交、民間企業による人材育成支援といった信頼関係の醸成など、様々な取り組みを戦略的に進めた結果です。
安全性、正確性を誇る日本の新幹線システムを活用した、インドにおける高速鉄道の第一号路線の実現に向けて、今後具体的協力を進めていきます。

今回の安倍総理、モディ首相の首脳会談は、「日印新時代」の幕開けとなる歴史的なものとなりました。
強いインドは日本のためになる、強い日本はインドのためになる。
このような考えの下、両国が、アジアや世界の平和と繁栄をけん引していくことで両首脳の考えが一致しました。
日印間の平和的目的の原子力協力全般に基礎を与える協定につき原則合意、そして日本の新幹線システムの採用は「新時代」幕開けの象徴的なプロジェクトと言えます。
インドは人口も多く有望な市場であり、日本と民主主義・市場経済の価値観を共有していますが、進出している日本企業は中国の約3万社に対し、約1200社に留まっています。
インドは合意した路線以外にも4000kmを超える高速鉄道、都市鉄道や発電所など、大型の開発案件が多く予定されており、新幹線の受注が日本企業のインド進出の大きな弾みとなることが期待できます。
これからも「経協インフラ戦略会議」を司令塔に、インフラ輸出を加速化してまいります。