今週、ドイツのエルマウで主要7カ国首脳会議(G7サミット)が行われ、首脳宣言が採択されました。
G7諸国は、自由、民主主義、基本的人権、法の支配という基本的価値を共有しています。
その首脳が一堂に会し、世界が直面する様々な課題について2日間にわたり議論しました。
サミット参加は4回目となる安倍総理の発言力は確実に増し、議論をリードしました。

安倍総理はサミットに先立って、日本の総理大臣として初めてウクライナを訪問し、ポロシェンコ大統領と会談、
ウクライナの国内改革への支援の表明と、ウクライナやロシアなどすべての当事者が停戦合意を守るべきであることを指摘しました。
サミットにおいても安倍総理は、ウクライナや、大規模な岩礁埋立てなどにより緊張が高まっている南シナ海の情勢を念頭に、
どの地域であろうと、力による現状変更は認められない、いかなる紛争も力の行使や威嚇ではなく、国際法に基づいて平和的に解決すべきであることを強調し、各国首脳の強い賛同を得ました。
また、平和的・外交的な解決は「対話」なくしてはありえません。
課題があるからこそ対話をすべきです。その意味で、ロシアには責任ある国家として、国際社会の様々な課題に建設的に関与してもらうべく、日本としてロシアとの対話をこれからも続けていく考えです。

経済においては、世界経済が回復していることを確認し、
女性の活躍の推進、TPPや日欧EPAなど貿易障壁の削減に向けた取り組みの加速、金融規制などについて方針を確認しました。
気候変動について、総理は2030年までに2013年比で温室効果ガスを26%削減する目標を表明し、年末の国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP21)で全参加国による合意を目指すことで一致しました。

さらに、エネルギーや食料安全保障、テロや世界各地の紛争、感染症、女性の人権、環境など、幅広い課題に結束して取り組むことを確認しました。

来年のサミットは日本が議長国となります。
その開催地を三重県の伊勢・志摩に決定しました。
緑あふれる大小の島々、美しい入江、私も訪れたことがありますが、志摩には日本の原風景と言える美しい自然があります。
また悠久の歴史を紡いできた伊勢神宮があり、世界のリーダーに日本の精神性、ふるさとの情景に触れていただける場所です。
「伊勢・志摩サミット」に向けて万全の準備をするとともに、引き続き責任ある大国として世界の平和と安定、繁栄に積極的に貢献してまいります。