今週、安倍内閣は日本と世界の平和を確かなものとする「平和安全法制」を閣議決定しました。

我が国は戦後70年間、一貫して平和国家としての道を歩んできました。
我が国の安全を守るだけでなく、世界の平和と繁栄に大いに貢献してきました。
今や世界各国から評価されている平和国家としての歩みは、これからも不変です。
安倍内閣は外交を通じて平和を守り、積極的な平和外交を展開して参ります。

同時に、万が一への備えも怠ってはなりません。
北朝鮮問題など、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることも事実です。
国民の命と平和な暮らしを守ることは、政府の最も重要な責務です。

そのために今回、「平和安全法制」を閣議決定しました。

日米同盟を強化すると同時に、域内外のパートナーと信頼および協力関係を深める。
その上であらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法整備を進めるものです。

たとえば、安保条約の下で、日本近海では自衛隊と共に米軍艦船が警戒に当たっていますが、こうした米軍艦船が攻撃されるような状況は、正に日本にとっての重大な危機です。
しかし、これまでは、日本自身への攻撃が発生していなければ何もできませんでした。
今回の法案では、(1)国民の命や平和な暮らしが明白な危険にさらされている、(2)その危機を排除するために他に適当な手段がない、(3)なおかつ必要最小限度の範囲を超えてはならない、
この3つの厳格な要件を歯止めを法律案にしっかり書き込みました。
さらに事前の国会承認が原則です。
こうして極めて限定的に集団的自衛権を行使できることとしています。

米国の戦争に巻き込まれるのではないかという批判がありますが、日本が武力を行使するのはあくまで「自衛」のためだけです。
あらゆる事態を想定して切れ目ない備えを行う。
これにより、抑止力を高めることができ、日本が攻撃される可能性は一層低くなるのです。

加えて、世界の平和と安定に貢献するために、これまで国際平和協力の実績を積み重ねてきた自衛隊の活動の幅を一層広げるとともに、我が国の平和と安全に資する活動を行う米軍を始めとする外国の軍隊を後方支援できるようにすることとしました。
武力行使は伴わない、紛争予防、人道復興支援や、燃料や食料の補給といった活動です。

いかなる国も一国のみで自国の安全を守ることはできない時代です。
この度の法案は、国民の命と平和な暮らしを守り、世界の平和に貢献するために必要なものであることを、これからの国会審議で丁寧に説明してまいります。