今週、「健康・医療戦略推進法案」が衆議院で審議入りし、私は担当大臣として趣旨説明質疑に臨みました。

日本は国民皆保険といった手厚い医療・介護制度などによって、平均寿命が男性79.6歳、女性86.4歳と、世界で最も長生きできる国となりました。
それと同時に、75歳以上の高齢者の中で、病気にかかっている方、要介護の方が増加しており、平均寿命と健康寿命の差を縮めることが大きな課題となっています。

また、健康寿命を伸ばす産業は、成長産業として大きな可能性を秘めています。
世界の医療市場は毎年伸び続け、500兆円を大きく超えています。
しかし、日本は医薬品・医療機器合わせて3.7兆円の輸入超過であり、iPS細胞をはじめとする科学技術力の高さを充分活かせていません。
資源のない日本にとって、「知」に基づいて付加価値を創出する産業の代表格である、医薬品・医療機器産業は国を挙げて育成すべき産業です。

安倍内閣では、「健康・医療」を成長戦略の柱と位置付け、医薬品・医療機器等を日本経済を引っ張る戦略産業として育成するために、私の直轄組織として「健康・医療戦略室」を昨年、立ち上ました。

法案は、推進体制をさらに強化し、先端的な科学技術、革新的な医薬品などの研究開発や新しい産業の創出を計画的に推進することで、
「健康長寿社会」の実現と経済の成長を同時に達成することを目的としています。

司令塔として総理をトップとする健康・医療戦略推進本部を新たに設置します。
これまで、厚生労働省、経済産業省、文部科学省それぞれが縦割りに進めていたものを改め、
推進本部が「健康・医療戦略」「医療分野研究開発推進計画」を作成します。
これに基づいて各省が政策を決定、新設する独立行政法人日本医療研究開発機構に予算を集約、一体的に実行することとなります。

基礎研究から実用化まで切れ目のない支援が可能となり、優れた研究成果が製品になることを加速させます。
また、研究機関、研究者の窓口が一元化されることで、事務負担の軽減、予算の効率的な執行も期待できます。

日本は、世界に先駆けて超高齢化社会を迎えています。
国民が少しでも長く健康な人生を過ごすことができるよう、医療・健康産業が経済を牽引する産業となるよう、力を尽くしてまいります。