今週、経済協力開発機構(OECD)が24か国の16~65歳の成人を対象に初めて実施した「国際成人力調査」の結果が公表され、調査された三分野のうち日本は「読解力」「数的思考力」の二分野で平均点が1位となりました。
どの年齢層でも、成人に求められる基盤的スキルが世界のトップレベルにあることを示し、これまでの義務教育等の成果や、企業・個人の努力の結果と言えます。
一方で残る「IT活用能力」では高い習熟度をもつ人の割合が10位であり、今後の課題も浮き彫りになりました。

第一次安倍内閣では、戦後初めて教育基本法を改正し、豊かな情操と道徳心を培い、伝統と文化を尊重し、わが国と郷土を愛する態度を養うことを明確に規定しました。
さらに「教育再生会議」の議論を通じて学力向上にも取り組んできました。
しかし、その理念が教育現場に浸透しているとは言えず、教育再生は道半ばです。

安倍内閣は教育再生を最重要課題の一つと位置づけ、新たに「教育再生実行会議」を立ち上げ、精力的に検討を重ね、既に「いじめの問題等への対応」「教育委員会制度の在り方」「これからの大学教育の在り方」と三次にわたる提言がなされています。

いじめは子どもの心身に重大な影響を与え、尊い命が絶たれるという痛ましい事案まで発生しており、その対策は緊急を要します。いじめをなくすためには、道徳教育を充実し、社会が向き合う責任ある体制を築かなければなりません。提言を受けて速やかにいじめ防止対策推進法を成立させ、対策を加速化させています。

子どもたちのための教育がなされるよう、教育制度の根幹である教育委員会制度の抜本的な見直しも必要です。教育現場で起きる問題に、責任を持って速やかな対応が取れる体制にしなければなりません。

日本が再び世界の中で競争力を高め、輝きを取り戻すためには、大学の果たす役割は大きく、国際的に活躍できる人材を育成し、技術革新を創出し、社会人の学び直しの機会も広げていかなければなりません。

教育再生実行会議では、今後さらに「6・3・3・4制」の在り方、大学入試の在り方など、教育全体を抜本的に見直す議論を進めて行きます。

人づくりは国づくりであり、日本が今日のように豊かな社会を築き上げることができたのも、教育の力に他なりません。
世界トップレベルの学力と規範意識を身につけられるよう、教育再生を実行してまいります。