今週、安倍内閣は来年4月から消費税率を5%から8%に引き上げることを決断し、同時に経済政策パッケージを発表しました。

消費税率引き上げは、民主党政権下の昨年8月、野党であった自民党公明党も合意して成立した「社会保障と税一体改革」関連法案の中で、この秋に政府が経済状況を勘案して最終的な判断をすることとなっていました。
政府内には引き上げを既定事実として早期の判断を求める声もありましたが、60人の有識者の意見を聞く場を設けるなど、私は、総理が予断を持たず政治主導で決断できる環境づくりに努めてきました。

この15年の間、長引くデフレにより経済が停滞して税収が落ち込み、高齢化に伴って社会保障費が年々増え続け、国の財政は大きく悪化してきました。
社会保障制度を安定させ、厳しい財政を再建するために、財源の確保は待ったなしであり、熟慮に熟慮を重ね、今回、安倍総理は法律通りに消費税率を引き上げることを決断しました。

その際に最後の最後まで考え抜いたのが、経済への影響でした。
消費税率引き上げによって経済が腰折れし、デフレと景気低迷の深い谷に逆戻りしてしまうようなことは絶対に避けなければなりません。
安倍内閣の経済政策である「三本の矢」により、景気は上向き、確実にデフレ脱却に向かっています。
経済再生と財政再建を両立させるために、経済政策のパッケージを同時にとりまとめました。

経済政策パッケージは、消費税による急激な負担増を和らげるとともに、企業の収益の増加が、賃金上昇と雇用拡大につながり、消費が増えて、さらなる企業収益の増加につながるという経済の好循環を目指すものです。
企業が潤ってこそ家計が豊かになるのであり、賃金を引き上げる企業や、積極的に研究開発や設備投資をする企業を減税等により応援します。
さらに新設した政労使会議などを通じて企業に賃上げを要請していきます。
また、低所得者に一人一万円支給する簡素な給付措置や、住宅取得者の負担軽減など、個人の家計向けや駆け込み需要の反動減対策も盛り込みました。

今月半ばから、安倍内閣が「成長戦略実行国会」と位置づける臨時国会が予定されています。
経済再生と財政再建を両立させるために、成長戦略を一つひとつ着実に実行してまいります。