今週、山中伸弥京都大学教授が世界で初めてiPS細胞を作製したことで、ノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
明るいニュースに国民は大いに勇気付けられました。

iPS細胞はあらゆる細胞や組織に成長できる性質を持ち、再生医療が飛躍的に進むことが期待されるほか、病気が発症するメカニズムの解明や治療薬開発の画期的なツールとして既に利用が始まっています。

山中教授は受賞の喜びを語った会見の中で「国の支援のおかげ」と何度も政府の支援に対する感謝の言葉を述べられたことが非常に印象的で、科学技術開発、とりわけ礎研究への支援の重要性を再認識しました。

自民党は麻生内閣の補正予算で、世界をリードする研究を集中的に支援するために「最先端・次世代研究開発支援プログラム」を創設し、
30人の研究者を選び、使い勝手のいいよう単年度ではなく3~5年間で合計2700億円を配分することを決めていました。
山中教授の研究も選ればれています。
しかし政権交代直後の民主党は、マニフェストの財源を確保するために約3分の1となる1000億円まで削られ、山中教授のプロジェクトも想定されていた150億円から50億円に削減されてしまいました。
事業仕分けでも多くの科学技術予算が標的にされましたが、山中教授をはじめとする研究者の訴えや、私達自民党、国民からの強い批判によって、科学技術予算を維持できたのは幸いでした。

iPS細胞は山中教授の手によって2006年に誕生しましたが、6年を経た現在ではこの分野の研究は欧米勢が先行し、日本は遅れていると言われています。
再生医療は病に苦しんでいる人々の大きな希望である上に、成長が期待される分野であり、予算措置や規制緩和など国を挙げての応援が重要です。
ノーベル賞受賞を受けて政府は急遽、支援を発表しましたが当然のことです。

経済がグローバル化し、円高が常態化した今日では、単に物を作って売るだけでは途上国の安い賃金に押されて価格競争で太刀打ちできません。
研究開発や高付加価値商品の開発、人材育成などのマザー機能を強化することが成長戦略の大きな柱だと考えています。

ここ数年の間、毎年のように日本人がノーベル賞を受賞していることは大変喜ばしいことであり、若い科学者も勇気付けられていると思います。
今後とも科学技術開発を国政から応援してまいります。