5月3日の憲法記念日に先立って自民党は、新憲法改正草案を発表しました。
日本らしく、日本にふさわしい憲法草案となっています。

まず、前文を全て書き換え、日本が長い歴史と固有の文化を持つ国家であることを明記し、良き伝統を末永く子孫に継承することとしいます。
これは、占領下で作成された現行憲法では、全く欠けている視点です。
天皇を元首と規定し、国旗・国家を尊重することも盛り込みました。
新たに家族が尊重され、互いに助け合うこととしています。
原点に立ち返り、日本が長い歴史で培ってきた社会のあり方を大切にしています。

戦争放棄、平和主義を継承しつつ、内閣総理大臣を最高司令官とする国防軍の保持を明文化しました。
あわせて領土の保全を盛り込み、国家として他国の侵略を断固排除するという決意を示しています。
曖昧な解釈により自衛隊の活動に支障をきたしている現状が改められ、集団的自衛権の行使を可能にし、国際社会と協調しながら、世界の平和と安全に貢献することができるようになります。

また、緊急事態条項を新設しました。
東日本大震災のような自然災害、他国からの攻撃といった非常事態が起きた際に、内閣に大きな権限を集中させ、迅速な対応がとれるようにしています。
内閣が緊急事態を宣言すれば、法律と同一の効力を持つ政令の制定や、必要な財政上の措置を取れる権限を一時的に与え、事後に国会の承認を得るというものです。

憲法改正の要件も緩和も盛り込みました。
現行憲法では、衆参両院で3分の2以上の賛成で憲法改正が発議され、国民投票の過半数で改正されることになっていますが、発議の要件があまりに厳しすぎるために、今まで一度も国民投票は実施されていません。
憲法を国民の手に取り戻すために、国会議員の過半数の賛成によって憲法改正が発議できるように緩和することとしました。

国会のあり方については、現行通りとしつつ、今後の検討事項としています。
近年の政治の停滞は、衆議院と参議院がほとんど同じ権限を有する中で、ねじれが常態化していることに一因があります。
時代の変化は早くなり、迅速な意思決定が求められるようになっています。
私は、現在の二院制を改め、衆参に違う役割を与えることや一院制を導入することが必要だと考えています。

自民党の草案は、日本らしく、時代に合わせた憲法となるよう、細部にわたり全体を見直ました。
憲法は国の針路や骨格を決めるものであり、党派を超えた議論が必要です。
しかし、残念ながら政権党である民主党は改正論議に及び腰で、逃げの姿勢です。
日本国民自らの手で作る自主憲法を制定できるよう、自民党は議論をリードしてまいります。