昨日、田中防衛大臣と前田国土交通大臣の問責決議が自民党をはじめとする野党の賛成多数で可決されました。

田中防衛大臣の知識、能力不足は就任以来の国会審議を見れば明らかです。
自衛隊が合憲とされる根拠、武器の使用基準、沖縄海兵隊の抑止力といった基本的な知識すら持っていません。
答弁のたびに後ろに座る官僚の説明を受ける姿を「二人羽織」「千手観音」と揶揄される有様です。

先日の北朝鮮ミサイル発射の対処でも危機管理能力のなさを露呈しました。
発射は事前に予告されて準備期間が十分にあったにもかかわらず、発射情報の分析伝達で混乱をきたしました。
同じ情報に接しながら、防衛大臣による発表はアメリカや韓国から大きく遅れました。
大臣はミサイルを「飛翔体」と言うような官僚の原稿を棒読みし、失言を恐れた官僚にあわてて打ち切られる会見の映像を見て、情けなさを通り越して恐怖すら覚えました。

防衛大臣は27万人の自衛官の指揮官であり、大臣も含めて防衛力です。
国民の生命、財産を守るためにも、田中大臣は交代すべきです。
野田総理は「適材適所」「無知の知」などと冗談ともつかない言葉で田中大臣をかばっています。
防衛大臣は国民の生命、財産を守る重要な役割があり、普天間基地移設という難題も抱えています。
一川前大臣に続いて二代連続で素人を防衛大臣に任命した野田総理の責任は大変重いものがあります。

前田大臣は4月15日投票の岐阜県下呂市長選で、特定の候補者への支援を呼びかける文書に自ら署名し、地元の建設業協会、温泉旅館組合に郵送しました。
大臣の名刺が同封され、国土交通省の公用封筒が使われました。これは法律で禁じられている事前運動、地位利用による選挙運動にあたり、刑事罰に問われかねない明らかな選挙違反です。
業界団体を監督し、予算を配分する大臣の権限は絶大であり、要請は業界団体への露骨な政治圧力です。
このような行為を許してしまっては、公正な行政運営はできません。
前田大臣の責任を問わないことは、権力への恐れを知らず、恣意的に行使する民主党の危険な体質をあらわしています。

野田総理は続投させることにしていますが、両大臣は大臣としての気概も資質もないことは明らかです。
自民党は国益のために、厳しい態度で大臣の交代を求めてまいります。