今週自民党では、「タイ王国大規模洪水およびトルコ共和国大地震災害支援本部」を設置しました。
タイとトルコは親日的な国で、東日本大震災でも支援を受けています。
自民党では、募金活動を全国的に展開するなど、両国を具体的に支援していきます。

特にタイの洪水では、日本経済への影響が心配されます。
日本からの直接投資残高が第6位であることが示すように、タイはアジアの中でも最も重要な拠点となっていて、中小企業も含め多くの日系企業がタイに進出しています。
首都バンコク周辺に立地する工場は、操業停止に追い込まれ、サプライチェーン(供給網)の寸断により、自動車産業を中心に日本での生産にも大きな影響が出はじめています。
タイのチャオプラヤ川は、勾配が緩やかで、流域には低地が続き、排水が進まないため、洪水の長期化が避けられない見通しです。
円高で企業が海外への進出を加速させる中、政治や地理的リスクへの対処する難しさを改めて実感させられる事態となっています。
今後、自民党ではタイ政府への支援とともに経済への影響を最小限にする対策を打ち出してまいります。

今週はタイの洪水に加えて、円相場が3日連続で戦後最高値を更新し、日本経済を取り巻く環境は厳しさを増しています。
過度の円高は輸出企業への打撃が大きく、東日本大震災後に持ち直しつつある日本経済に悪影響を及ぼします。
例えば1円の円高で、トヨタは300億円、ホンダは150億円の利益を失うと言われています。
円高を放置すれば輸出企業の業績を圧迫し生産拠点を海外に移す動きが強まり、国内産業が空洞化、雇用が喪失してしまいます。
昨日の所信表明演説で野田総理が示した円高対策は、従来のものを繰り返しただけでした。
日銀は量的緩和策を発表しましたが、規模が不十分です。
野田総理や安住財務大臣は口先ばかりで、円高は長期化し歯止めがかかりません。
日本単独での円高対策では市場への影響力が限定的であり、アメリカやヨーロッパ諸国に強く働きかけて、円高是正に強調して行動するべきです。
民主党政権の外交により国際的な影響力が低下し続けていることが、経済にも大きく影を落としています。

総理は演説の中で国会議員に向けて「覚悟」を説きましたが、総理自身の覚悟と行動が最も欠けています。
週明けからの代表質問、予算委員会で厳しく追及してまいります。