今週、日本列島を縦断した台風15号は、日本各地に被害をもたらしました。
被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

民主党野田政権は当初「不完全な内閣だから」と開き直り、自民党など野党の反対を押し切り、強行採決までして国会会期をたったの4日間と決めてしまいました。
ところが、野党全てが会期延長を議長に申し入れをし、予算委員会を開かないのはおかしいというマスコミや世論の声が強まると、それを気にして今月末まで形だけの延長をしました。
今週も開会中でありながら、新大臣の所信表明や質疑には応じないなど、極めて不誠実な姿勢でした。
復興対策などを真剣に議論しようという気概や内閣としての責任感は、微塵も感じられません。

この延長の経緯で、民主党では輿石幹事長のちぐはぐな国会運営を不服とし、国対委員長代理などが辞表を提出、執行部の不一致が早くも浮き彫りになりました。
国対は国会運営を決める重要な役職です。
それら民主党執行部の認識が一致していないのであれば、野党は誰と話し合いをすればいいのでしょうか。
国会運営・審議を迅速にし、与野党で協力すべきは協力し、通すべき法案は通す、私も議会運営委員会の野党の責任者として一日も早い復興のために全力で取り組んでいますが、
野田内閣が最初からこのような混迷混乱ぶりでは、信頼関係を築くどころか、復興対策も進められません。

また、野田総理自身も変節ぶりを早くも露呈しました。
原発について野田総理は今月初めの就任会見では「将来的な脱原発依存は自然な流れ」と明言し、菅前総理の脱原発路線を受け継ぐことを表明していました。
ところが、今週の国連演説では「原子力の安全性を世界最高水準に高める」として、原発輸出の継続を強調、一方で脱原発には一切言及しませんでした。
国内向けには「脱原発」を、海外向けには「原発輸出」を言う二枚舌。
これでは今後の原子力政策・エネルギー政策をどのように進めるかも分かりません。

大震災の復興財源を賄う臨時増税についても、たばこ税は増税しないと言っていたにも関わらず、22日に突如、たばこ税増税に方針転換しました。
どうすれば批判をかわせるかという論理だけで財源を探すやり方は明らかな誤りです。
自民党は復興のための第三次補正予算には最大限協力しますが、増税ありきは明らかな問題であり、歳出削減や行政改革など身を削るところから始めなければなりません。

国民の一番の関心事である原発政策や増税について、発言をころころと短絡的に変え、体裁だけを取り繕うような野田総理、
そして内向きの党内での議論に終始する民主党そのものに、政権与党としての覚悟も責任感もありません。

自民党は来週開かれる予算委員会で野田内閣の混迷をしっかりと問い質すとともに、
二重ローン対策や私学災害復旧助成、原発事故調査委員会設置など、具体的な震災対策の実行を、国会の議論を通じて、政府に要求してまいります。