今週から通常国会がはじまり、総理の施政方針演説、各党代表質問が行われました。菅総理は何度も答弁漏れや原稿の読み間違いを繰り返し、前原大臣は原稿を早口で棒読みするなど、
全く誠意も緊張感も感じられないものでした。
さらには予算委員会を与党だけで強行で開催するなど、冒頭から「熟議」が口先ばかりと思えるような与党の国会運営が見られました。

菅総理演説の柱は、「TPP」と「社会保障と税の一体改革」でしたが、どちらも民主党内で基本方針すら固まっていません。
特に社会保障は、年金をマニフェストに示した税方式にするのか、自民党が主張する社会保険方式に変えるのか、曖昧なままです。
少子高齢化が急速に進展する中、今後の社会保障のあり方を超党派で議論することは意義あることですが、政権与党であるならばその議論の前提となる具体案をまず提示すべきです。
それを棚に上げて、野党が協議に応じなければ「歴史への反逆」とするのは無責任極まりません。

平成23年度予算案は、バラマキ政策を行うために過去最大規模の92.4兆円となり、2年連続で税収を上回る新規国債を発行するという異常な事態になりました。
選挙前には、国の総予算207兆円を全面組み替えして、16.8兆円の財源を捻出して新規政策を実行すると民主党は主張しましたが、来年度の総予算は220兆円となり、政権交代後に13兆円も増えています。
選挙目当てで謳った公約が破綻していることは明らかです。

一昨日、米国格付け会社が「民主党政権は債務問題に対する一貫した戦略に欠ける」として、日本国債の格付けを引き下げました。
これに対して菅総理は「そういうことに疎い」と報道陣に述べました。
菅総理は発言が市場に及ぼす影響の大きさを理解していませんし、財政に対する危機意識のかけらも見えません。

ねじれ国会もとで、与党が実現不可能な公約を振りかざしていては現実的な議論が出来ません。
民主党は公約を修正し、一刻も早く国民の審判を仰ぐべきです。
そして、選挙の後には、数年の期間を限って多くの政党が参加した救国内閣をつくり、外交・安全保障や社会保障、経済など、山積する国政の懸案課題を集中して解決することが必要ではないでしょうか。
実現には大変な困難が伴いますが、日本の将来のために先頭にたって力を尽くしてまいります。