映画/人生フルーツ | 渡邉知樹のぺぺぺ

映画/人生フルーツ

久々のポレポレ東中野
いろんな人に勧められ行ってきました!

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人生フルーツ

スキスキ度 ☆☆☆☆
オススメ度☆☆☆☆


予告編を見て、単なる[今流行りのエコをテーマにした映画]
いわゆる“スローライフ”をおくる老夫婦の物語かと思っていたので腰が重かったのだけど
見たら、あれ?全然違う


エコってつまりはカルチャー
環境に良い行いをするのがエコ
大気汚染とか森林伐採とか、経済発展に伴い自然が破壊されて、そういう現実を日々ニュースなんかで目の当たりにしたり実感する中で、エコカルチャーが現れるのはごく当たり前の現象だと思うのだけど
結局のところ文化的なものっていうくくりで見てしまうとその個々の行い自体は魅力的に見えないというのがこれまで“エコ”らしいものに触れた時の印象

この映画だって、エコな生活をしている夫婦という切り口で見せることだって簡単に出来るほど、その日々のアイデアや生活は魅力的

しかしカメラは1歩踏み込む


日本住宅公団のエースとして高蔵寺ニュータウンの計画に携わり、自然との共生を望んだ修一さんの計画は、高度成長期真っ只中の日本では叶わなかった
しかしその高蔵寺ニュータウンの土地を買い、家を建てて生活をはじめる

高蔵寺ニュータウンの土地開発により裸になってしまった山に、大人子供を集めてどんぐりを植えて山の緑を再生したり、
言い方はおかしいけど、エコっていう方法を利用して、しっかりと経済優先の社会をぶん殴ってる感じ
警笛を鳴らすとか、そっちに行ったら危ないよ、とかではなくて
怒りが爆発してるような修一さんの決断がひしひしと伝わってきて、でも表現自体はものすごく優しくて、そこに感動する


海軍時代に仲の良かった台湾人を訪ねるシーンで、両手をがっちりと組んで歌った台湾軍の歌
最後の仕事を引き受けた時の修一さんの手紙や、妻、英子さんの言葉も1つ1つ心に染み入るようで印象的


唯一嫌だったのはナレーションが多すぎること
せめて、樹木希林じゃなくていいでしょ



ただ静かに、在るものを撮る

というのはきっととても難しいことだと思うけど、カメラも編集も素晴らしくて、“ジブリ映画的”な尊さをもった映画だと思います



あ、忘れてはいけない手作りシルバニアファミリーの家
あれがすごすぎて結局シルバニアファミリーの映画になってしまった感は否めない(笑)


٩( ᐛ )و