東京から9400キロ離れたテアナウ(ニュージーランド)で、まもなく『GODZONE』が始まる。
昨年11月に開催予定だった『Patagonian Expedition Race』が開催されず、その代替としてチームは『GODZONE』に出場することを決めた。
チーム構成は、昨年5月の『Expedition Oregon』に出場した田中陽希、米元瑛(ヨネ)、所幸子(ジョージ)、田中正人(隊長)。
ここにサポートクルーとして、高畑将之(ヤク)、小倉徹(テツ)が加わる。
*サポートクルーの業務はこちら
傍から見てもチームの雰囲気は良いと思う。
相変わらず陽希はキャプテンの立ち位置を悩んでいるようだが、これも経験だ。
ジョージもヨネも隊長も、そんな陽希の悩みを理解している。
レースの準備も着々と進む中、出発2日前に隊長が急性腰痛症(ぎっくり腰)になった。
立つこともままならくない。
出発前日、まずは私の掛かりつけの鍼灸医院に連れて行く。
太い鍼を打ってもらい、どうにか自力で立てる程に。
その日は、たまたま2年前に受けた肩の手術の個所において最終検査を受けるために整形外科を予約していたことも幸いだった。
隊長を見るや否や、医師は「肩よりも腰を診ましょう」ということで、すぐに担当の理学療法士さんと相談。
担当の理学療法士さんは時間をかけて原因と患部を追求してくれた。
お蔭で随分とラクになったのだが、13時間のフライトはやはり腰に響いた。
今日はスタート2日前。
クイーンズタウンまで2時間車を飛ばし、現地在住の日本人の方に紹介された鍼灸医院にて再び施術を受けた。
まだ完璧とは言えないが、フライトで再発した痛みも徐々に治まりつつある。
本来アスリートは出場前に故障があってはならない。
常に体調を管理し、自分の体の様子を見ていなければいけない。
チームイーストウインドのプロデューサーとして、今回の一件は厳しい目で見るべきだ。
なんだけど・・・・。
22年も一緒にいた家族として、こう思う。
隊長は今までは引っ張る側にいた。
しかし、もはやその位置には立てず、完全に引っ張られる側となった。
しかし、それでもなお、プライドを捨ててもフィールドに立つには意味がある。
まだ陽希はキャプテンとしてチームを引っ張ることに不安がっている。
それを取り除かなくてはならない。
それは隊長にしかできない事なのだ。
会社でもしかり。
社長は会社のキャプテンである。
会社の方向性をしっかり決め、ブレずに進むよう舵を取る。
では、社長を退いたら何をすればいいのか。
それは会社の理念を伝える人となること、だと私は思っている。
方針を打ち出し舵を取るのは社長だが、その役職から降りた人は、もっと大きな目標である会社の『理念、社会に対する存在意義』を伝えるのだ。
さて、今回あきらかに隊長はお荷物的存在になるだろう。
本人はそれを百も承知だ。
しかし、これこそが困難をチーム一丸となって越えるべきスポーツ『アドベンチャーレース』である。
起きた事象は致し方ない。
では、これをどうしていくのか。
ここをまさに隊長は伝えたいのだと思う。
さぁ選手たちよ。
ここでキミたちのチカラが試される。
それはレーサーとしてのチカラでもあり、人としてのチカラでもある。
私は、それをとても楽しみにしているよ。

