先日、ウン回目の誕生日を迎えた。
この日も、いつもの通り4時半に起きて娘のお弁当を作り、6時に娘を駅まで送る。
それから掃除・洗濯・アイロン掛けをし、珈琲を淹れて一息。
その後、メールをチェックして、仕事に入る。
お昼は、お弁当の残りでササッと済ませ、午後は図書館に行って本を借りて、その足で買い物に行く。
帰ってから残りの仕事の着手。
そして夕飯の支度にとりかかり、夜7時半になったら娘を駅まで迎えに行く。
誕生日とは言え、毎日と同じ事を繰り返す。
特別なことは何もない。
それでいい。
むしろ、それがいい。
それが幸せだと思う齢になった。
私はこの誕生日で、一般的に言う「人の寿命」のざっくり2/3を終えた。
ふと思う。
人生は3部作で構成されているのではないか?
1/3期は人生において様々なことを学ぶ。
人間関係、道徳、学業、社会生活、あらゆる事を経験し、チカラにしていく。
頭も心もスポンジみたいに何でも吸収していく時である。
2/3期は1/3期で経験したことを伸長し、深みを持たせる熟成期。
仕事に就き、自分の存在意義を意識し、無我夢中で前進する。
そして人を愛し、家族を作る人もいる。
活力が漲り、炎のごとく煌めく時である。
そして残りの3/3期。
これは自分自身の最高のクロージングに向かう整理整頓期ではないか、と思うのだ。
前期2/3で多くのことを身に付け、多くの人に出会い、多くの物を持ち、多くの喜びや悲しみを知った。
ならば、ここからの3/3期は、身の回りの整理整頓をし、余分なものは削ぎ落し、シンプルに生きていこうか。
茶道では、抹茶を一番美味しく味わえるために、茶室には必要最低限のものだけを置き、シンプルにしているそうだ。
不要な物は捨てる。
つまり執着心を捨てる、ということ。
前期は「質より量」という部分があった。
地位、富、名声、SNSの「いいね」の数、フォロワー数、友達の数…
人と比較し、目に見える数に執着し、振り回される日々。
しかし、後期になるほどに「量より質」が、いかに大切か、いかにありがたいかを知る。
執着心を捨てるとことが、残りの1/3の始まりとなる。
それは「すべて止めて隠居する」ということではなく、今まで培ってきた事を整理し、シンプルに削ぎ落して、前期で身に付けた事の集大成として新しい事を始める、ということである。
いわば第3部の始まりだ。
そんな人生の第3部。
本当に大切な物と大切な人たちに囲まれ、
心から笑い合ったり泣き合ったりできる友達と語り合い、
身体によい物を食べ、
時に美味い酒を酌み交わし、
人生を豊かにする文化に触れ、
いつもいつも笑いながら、
穏やかに過ごせていけたら。
それが私にとっての最高のクロージングになるのではないだろうか。
うーん、なんだかこれからの人生が楽しくなりそうで、ワクワクしてきた!!