公共交通整備に係る要望活動について

森都市政策課長 資料の1ページをお願いいたします。協議事項Ⅰ、公共交通整備に係る要望活動についてでございます。この活動につきましては、市内を運行しております主な交通事業者に対しまして、毎年、市議会と市が共同いたしまして、鉄道やバスの運行そして駅施設の整備などにつきまして要望するものでございます。今年度、公共交通整備に係る要望件数につきましては、東海旅客鉄道に7件、名古屋鉄道に2件、名鉄バスに5件でございます。その内容につきましては、新型コロナウイルス感染症予防の視点や、リニア中央新幹線工事の進捗、利用者の利便性向上といった観点から要望項目を精査いたしております。
 それでは資料に従いまして御説明いたします。
 まず初めに、1の東海旅客鉄道株式会社に対する要望でございます。(1)の要望につきましては、JR春日井駅周辺に関するものでございます。現在、駅南東地区におきまして市街地再開発事業が進捗中であるとともに、北口にふさわしい再開発の実現につきましても検討しております。今後も引き続きJR春日井駅周辺のさらなる発展とにぎわいづくりの取組に対しまして協力が得られるよう要望するものでございます。
 (2)の要望につきましては、神領駅に関するものでございます。土地区画整理事業などによりまして1日当たりの乗降客数は、勝川駅や春日井駅に迫る程度にまで増加傾向にございます。神領駅に快速列車を停車するよう要望するものでございます。
 (3)につきましては、「高蔵寺リ・ニュータウン計画」に基づき、高蔵寺駅周辺のにぎわいづくりに着手してまいりますことから、これに対する積極的な協力について要望するものでございます。
 (4)につきましては、JR中央本線の利便性そして安全性の向上に関するものでございます。特にアは新型コロナウイルス感染症対策として3密を避けるためにも朝夕のラッシュ時間帯におけます車内混雑の緩和、イは各駅へのホームドアの設置、ウはホームへのベンチ設置などを要望するものでございます。
 (5)につきましては、現在、勝川駅などで用地を借地しているところでございますが、駅周辺の自転車やバイクの駐車場用地提供への協力、(6)は城北線に関するものでございます。資料の2ページをお願いいたします。
 (7)は、リニア中央新幹線の工事に関するものでございます。これまでの非常口設置工事に加え、いよいよトンネル工事着手に当たっての準備が始まってまいりますことから、工事中・開業後いずれにしましても市民の皆様の不安解消のための説明や工事中に伴う影響の抑制を求めてまいるものでございます。
 続きまして、2の名古屋鉄道株式会社に対する要望でございます。
 (1)のアは名鉄味美駅、そしてイは名鉄春日井駅に関するものでございます。既に味美駅は整備が進んでおりますことから、市の事業への協力のほか名鉄側の工事の着実な遂行を促すとともに、引き続き協議が進んでおります春日井駅についても、土地区画整理事業をはじめその進捗に合わせて行う駅周辺整備や都市計画道路整備への協力を要望するものでございます。また、ウからカにつきましては、それぞれ市内各駅への駅員配置をはじめIC乗車券のmanaca発券機、ホームドアやトイレ設置を要望し、利用者が安全・安心・快適に利用できる環境の整備を求めるものでございます。資料の3ページをお願いいたします。
 3の名鉄バス株式会社、市内を走る名鉄バス路線に対します要望でございます。後ほど御報告申し上げます地域公共交通網形成計画の策定に取り組んでいるところでございますが、地域の身近な足としての路線バスは貴重なインフラの一つ、財産であり、次世代に引き継がなければならないと考えております。
 路線につきましては、(1)のアにおきまして、バスの路線そのもののみならず、その便数についても維持確保を要望してまいります。一方、その利便性向上につきましては、近年注目され、市内交通ネットワーク形成に資すると考えられる複数の交通手段の検索・決済を一括して行うMaaSの観点も踏まえまして、イとしてバス定期券をはじめとした各種のカードを購入できる窓口の増設はもとより、ウとしてシティバスとの乗継割引などといった料金支払いに関する利便性の向上や市内の各種のバスをつないで最適な経路検索を可能にする位置情報等をオープンデータとするよう要望いたします。
 また、(2)のア、複数路線が発車いたしますJR高蔵寺駅、春日井駅、勝川駅への発車の案内を表示するバス停の増設や、イ、シェルター付きバス停などを、さらに(3)の乗務員教育の徹底を引き続き要望してまいります。
 これらに加えまして、(4)の「高蔵寺リ・ニュータウン計画」の協力につきましては、本格化してまいります駅周辺整備やニュータウンで進めております自動運転などをはじめとしたスマートシティプロジェクトへの協力も引き続き要望をしてまいります。
 最後に(5)でございますが、市内の交通に関するさまざまな実証実験を実施・検討しているところでございます。こうしたものへの協力も引き続き要望するものでございます。
 以上、公共交通整備に係る要望活動につきまして御説明いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

(春日井市議会建設委員会 末永けい 質疑)
末永けい
まず、JRに対しての(4)のアですけれども、「新型コロナウイルス感染症対策も意識した朝夕のラッシュ時間帯における車内混雑の緩和」というふうにあります。ラッシュの緩和については、このコロナ禍かどうかは問わず、通勤・通学者の望みであると思います。コロナ禍において、JR東海の利用者数はどのような状況になっているのか教えてください。

森都市政策課長 JRの現在の利用者数の状況でございます。JRからは、名古屋近郊の在来線の利用者数は、4月、5月については前年比約4割程度まで落ち込んだものの、6月、7月には7割ほどまで回復をしていると伺っております。

末永けい

具体的に、この項目でJRのほうにはどのような取組を期待しているのか伺います。

森都市政策課長 具体的な取組といたしましては、列車の増便または1本当たりの車両の増結を考えております。

末永けい

ラッシュ時間帯における混雑緩和は、JRだけに求めるのではなくて、市としても積極的な取組が必要だと思っております。市としてはどのような取組を行っているのか、このコロナに関してですね、伺いたいと思います。

森都市政策課長 市では、ホームページなどで公共交通機関の利用は混雑時間帯を避けるなどといった新しい生活様式の実践を呼びかけるとともに、定期的に安全安心情報ネットワークからの注意喚起メールによって当該ページへ誘導するなど周知を図っているところでございます。 そのほか、市職員に対しましても時差出勤や自動車・自転車・徒歩などによる出勤の活用を図るよう通知するなど、取り組んでいるところです。

末永けい

市民のほうにも呼びかけを行っていただいているということが分かりました。ただ、市民が勤めている職場において、テレワークとかローテーション勤務、時差出勤というものが推奨されていないと、どれだけ市が広報や呼びかけをしても、実際の混雑緩和というところにはつながらないというふうに思いますので、交通要望と併せて、市として企業の時差出勤とかテレワーク、ローテーション勤務の実施状況をしっかり把握する中で、そういった取組が推進されるような方策を考えていただきたいということは、要望させていただきます。 

続いて、名鉄バスへの(1)のエのところに、オープンデータ化について記載があります。バス停の位置情報等のオープンデータ化について、同じく春日井市内へ乗り入れているあおい交通とか、ゆとりーとラインはどのような状況なのか教えてください。

森都市政策課長 あおい交通につきましては、既にオープンデータとして、現在、国での統一を図られているGTFS形式による公開がされております。また、ゆとりーとライン、こちら名古屋市交通局となりますが、こちらは時刻表など情報を一部公開しておりますが、GTFS形式というものでの情報提供では、現在のところ、まだ至っていないというところでございます。

末永けい

市民が利用される公共交通機関のオープンデータ化については、スマホなどで運行情報を検索する市民の利便性向上や交通機関の利用促進に資するものでありますので、この名鉄バスさんだけに限らず、各交通事業者に対しては積極的に働きかけていただきたいということを要望させていただきます。