※河川の水を「外水」と呼ぶのに対し、堤防で守られた内側の土地、いわゆる人が住んでいる場所にある水を「内水」と呼ぶ。内水シミュレーションは、コンピューターに地形や排水路などのデータを取り込んで構築した仮想モデルを用い、下水道基本計画における計画降雨や想定される最大規模の降雨などを対象降雨とし、内水氾濫による浸水の状態を解析することにより浸水想定区域を把握するものである。この事業の目的は、既設の排水路や調整池の効果を検証するとともに、今後の計画見直しにあたり施設の規模や配置の再検討を行い、効果的かつ効率的な浸水対策としていくための基礎的な情報の取得にある。

(参考)春日井市洪水ハザードマップ

(春日井市議会定例会 建設委員会 2020年3月9日)

末永けい

内水シミュレーションと、先ほど出ましたハザードマップについて、別立てで、別々の年度で、それぞれ業務委託っていうことになっているんですけども。国のマニュアルを見ますと「洪水浸水区域が住民の避難行動に活用されることなど洪水浸水想定区域との関連性を十分に留意する必要がある」というふうに記載がありまして、これはそれぞれ、ハザードマップと内水シミュレーションというのを、むしろ同じ会社で同時に進めたほうが、それぞれ関連性をもたせられると思うんですけど、そのあたりはどのように進めるお考えなんでしょうかね。

橋本上下水道経営課長 令和2年度におきまして、一般会計の土木費で上がっている洪水ハザードマップについては、いわゆる河川の堤防が切れた場合もしくは越水した場合のシミュレーションでございまして、こちらは河川にかかわることですので、シミュレーション自体はそれぞれ河川管理者、例えば県ですとか国が行うということになっております。ただ、内水シミュレーションについては、こちらは国や県の事業ではございませんので、あくまでも市のほうで行わなければならないため、同時に行うことはできないというふうに考えております。

末永けい

要するに、市民が水害に備えて避難図とかを作成しようとすると、本来、外水氾濫だけでなくて、内水浸水についても十分それを考慮して避難計画とかそういうのを住民の方が作成していかなくてはいけないと思いますので、先ほどもちょっとありましたけど、出てきた成果物が内水だけのものとか、ハザードマップだけとか、それでは意味がないと思うんですよ、住民からすると。そこらへんの関連づけをどういうふうにしていくのかっていう質問なんですね。

橋本上下水道経営課長 今、末永委員がおっしゃったように、洪水ハザードマップと内水ハザードマップには確かに関連性がございます。実際は、市全体として対応していくべきものですので、内水ハザードマップについては、今後市としてどういうふうにやっていくかというのは検討していくべきものと考えておりますけれども、公表方法についても、同時のマップで表すのは実際には計算が違うので難しいということもございます。その辺の表現の方法については、各市ともいろいろと研究はされていると聞いておりますので、今後そういうものにつきまして、他市の状況を鑑みながら検討してまいりたいと考えております。

末永けい

あと、成果物なんですけども、マップという形で、紙ベースで出すっていうこともありますし、例えばオープンデータみたいな形で提供することもできるものなんですかね。

橋本上下水道経営課長 成果物につきましては、もちろん図面という形でも出てきますが、データという形でもいただく予定でおりますので、ファイル形式とか検討する事項はございますが、データという形で市民へ御提供することも可能だと考えております。

末永けい

地域住民、市民の方の防災に役立つことになりますでしょうし、大学だとか、不動産関係の住宅メーカーだとか、ディベロッパーとかでも、このデータが無料で手に入るということであれば、非常に有益で、望まれているかたもおられると思うので、ぜひ前向きに検討していただきたいというふうに思います。お願いいたします。