報告第32号 平成30年度勝川開発株式会社の経営状況について
報告第33号 平成30年度高蔵寺まちづくり株式会社の経営状況について

令和元年第4回春日井市議会定例会提出議案目次〔6〕(出資法人等の経営状況等)

(2019年9月11日 本会議質疑)

末永けい

勝川開発株式会社と高蔵寺のまちづくり会社については,いわゆる第3セクターで,第3セクターについては,経営の自立性や効率性,透明性を高めて公金依存をやめていく必要があります。ところが,本市の第3セクターについては,市民や外部への情報公開に積極姿勢が見られず,こうして毎回細かくごく基本的なことから聞いていかなくてはならない状況であります。
 そこで,質問させていただきます。まず,報告第32号の勝川開発株式会社について,現在の株主構成と出資金額,出資割合について,そして役員構成,役員平均年齢,各役員の報酬,それから組織体制,職員数の内訳,プロパー職員なのか,市役所の退職者の内訳についてお尋ねします。
 それから,常勤職員平均年齢,平均報酬,売上高の内訳,セグメント・事業別の損益,次に,市からの補助金,指定管理料,委託料等のいわゆる市からの財政的関与の額と売上高に占める割合,市からの受託事業の再委託料・率,これは市からの委託料や指定管理料などについてお尋ねします。
 それから,経営に用いている経営指標は何なのかお尋ねします。
 情報公開の規定について,規定があるのかどうかお尋ねします。
 それから,中期経営計画をもって経営が行われているのか伺います。あわせてキャッシュ・フロー計算書,事業別損益計算書の存在があるのかどうかについても伺います。
 続いて,高蔵寺まちづくり会社,報告第33号です。
 こちらについても,ほぼ同様の内容で伺います。現在の出資者,株主構成と出資金額,出資割合,それから役員構成,役員平均年齢,各役員の報酬,組織体制,職員数の内訳,プロパーか市役所退職者の内訳,常勤職員平均年齢,平均報酬,売上高の内訳,セグメント別,事業別の損益,市からの補助金,指定管理料,委託料等の市の財政的関与の額と売上高に占める割合,市からの受託事業の再委託料・率,経営に用いている経営指標,情報公開に関する規定があるのかどうか,中期経営計画,キャッシュ・フロー計算書,事業別損益計算書の有無について伺います。

 

産業部長(石黒直樹君)

それでは,報告第32号 平成30年度勝川開発株式会社の経営状況についての御質問に順次お答えいたします。
 初めに,発行株式1万4,202株に対して上位5位までの株主は,春日井市が7,120株で50.1%,春日井商工会議所が1,060株で7.4%,株式会社大垣共立銀行が696株で4.9%,王子製紙株式会社が476株で3.3%,愛知電機株式会社が450株で3.1%です。30年度末における株主数は155名となっております。
 次に,平成31年3月末現在で,役員構成は代表取締役社長1名,代表取締役専務1名,常務取締役1名,社外取締役6名,監査役が2名でございます。平均年齢は66歳で,役員報酬は常務取締役と監査役1名のみが対象で,常務取締役は月約36万円,監査役は月3万円でございます。
 次に,組織体制は,総務グループと業務グループで構成し,総務グループでは主に会社経理を行い,業務グループでは主に個別の収益事業などを行っております。平成31年3月末現在,職員数は週5日勤務の常勤職員が6名,臨時職員が3名の合計9名で,うち常務取締役が市OBで,職員のうち1名は金融機関からの出向者でございます。常勤職員の平均年齢は47歳,給与及び賞与は,年1人当たり平均471万569円でございます。
 次に,売上高の主な内訳は,賃貸料収入が約2億2,570万円,指定管理委託料等の業務委託料が約1億1,590万円,スポーツクラブの売上が約3,510万円などとなっております。
 次に,セグメント別損益につきましては,不動産賃貸部門の売上高が約2億1,830万円で,営業利益が約5,227万円,公の施設の指定管理者部門の売上高が約1億4,717万円で,営業利益が約725万円,施設管理部門の売上高が約3億7,885万円で,営業利益が約6,288万円となっております。
 次に,市の財政的関与として,売上高に占める指定管理料等の割合は27.21%でございます。なお,市からの長期借入金として,30年期末残高で9億2,900万円となっております。
 次に,再委託でございますが,捉え方はさまざまだとは思いますが,市からの受託事業における再委託額は8,103万2,736円で,再委託率は55.06%でございます。
 次に,具体的な経営指標につきましては特に定めてはおりませんが,黒字を確保しつつ,勝川駅前周辺の活性化と魅力あるまちづくりに寄与することを目的に,事業を進めてまいります。そして,情報公開の規定はございません。中期経営計画についてもございません。
 次に,キャッシュ・フロー計算書もございませんが,事業別損益計算書はございまして,先ほどセグメント別損益で回答いたしました内容をまとめたものでございます。

 

まちづくり推進部長(前川広君)

私からは,報告第33号 平成30年度高蔵寺まちづくり株式会社の経営状況についての御質問にお答えいたします。
 初めに,各出資者名,出資金額,割合につきましては,春日井市が1,005万円で50.25%,春日井商工会議所が445万円で22.25%,OKB大垣共立銀行が100万円で5%,その他7者から450万円で22.5%を出資いただいております。
 次に,役員構成,平均年齢,役員報酬の額につきましては,平成31年3月末現在で,役員構成は代表取締役社長1名,常務取締役1名,取締役2名,監査役が1名です。平均年齢は62歳で,役員報酬は代表取締役と取締役1名は無報酬,常務取締役は月36万円,取締役1名は月20万円,監査役は月1万円です。
 組織体制,職員数,職員内訳,市職員のOBとプロパー職員の内訳,常勤職員平均年齢,報酬につきましては,組織体制は,総務部と営業企画部を構成し,総務部では主に会社経理やグルッポふじとう指定管理業務を行い,営業企画部では主に空き家リノベーション事業などを行っております。平成31年3月末現在,職員数は週5日勤務の常勤職員が8名,臨時職員が2名の合計10名で,市職員OBは4名,プロパー職員は6名,常勤職員の平均年齢は59歳,年給与総額は1人当たり平均369万7,802円です。
 売上高の内訳につきましては,主な内訳は,グルッポふじとう指定管理料が1億4,814万3,302円,高蔵寺駅北口自転車駐車場等指定管理料が3,632万2,447円,空き家リノベーション住宅等の家賃収入が107万2,667円などとなっております。
 セグメント別損益につきましては,空き家リノベーション事業のみが約350万円の赤字で,その他の事業は黒字でございます。
 市の財政的関与の割合につきましては,97.21%でございます。
 受託事業の再委託額・率につきましては,市からの受託事業における再委託額は8,740万2,286円で,再委託率は47.22%でございます。
 具体的な経営指標につきましては特に定めてはいませんが,毎期経常黒字化を目指し,さらには売上高経常利益率5%を目指していると,高蔵寺まちづくり株式会社からは聞いております。情報公開の規定につきましては,ございません。中期経営計画はないと,高蔵寺まちづくり株式会社からは聞いております。
 キャッシュ・フロー計算書,事業別損益計算書につきましては,キャッシュ・フロー計算書はなく,事業別損益計算書は,不定期ではございますが,各事業の収支を確認するため作成することがあると,高蔵寺まちづくり株式会社から聞いております。

 

末永けい

 まず,報告第32号のほうです。
 勝川開発についてなんですけれども,市からの受託事業の再委託率55%ということです。これについては,ちょっと高過ぎないかと思うんです。勝川開発が中間マージンを取っているということになります。これは,直接市から再委託先に委託すれば中間マージンを省くことができるので,税金のコストの削減につなげられると思うんですけれども,市として指定管理料や委託料の精査が必要なのではないかと思うんですけれども,その点について所見を伺いたいと思います。
 それから,中期経営計画や経営指標が特にないということですけれども,こんな状態では経営のかじ取りができているのかなということが心配になります。市としても何をもって経営指導をしているのかなということがすごく疑問に思うんですけれども,なぜ中期経営計画や経営指標をつくらないのかということについて所見を伺いたいと思います。
 それから,事業収支予算書,いわゆるキャッシュの動きです。あるいは事業別の損益については,出しているということであれば公開したほうがいいと思うんですけれども,その点についての所見を伺います。
 それから,情報公開の規定については,なぜ第3セクターとして整備しないのか,その点について所見を伺います。
 続いて,報告第33号です。こちらについてもお尋ねをいたします。
 市からの受託事業の再委託率,こちらは47%ということで,まち会社についてもかなり高い数字だなというふうに思っております。市から一旦第3セクターを経由してまた委託をするのではなくて,直接市から委託できるものは委託したほうが,中間マージンをしっかり省略することができますので,税金のやっぱり無駄遣いにならないように考えていただきたい。指定管理料や委託料の精査が必要なのではないかと考えますけれども,その点について所見を伺いたいと思います。
 それから,事業別損益計算書については,不定期であるが各事業の収支を確認するため作成することがあるという答弁だったんですけれども,これはなぜ不定期なのかと,常日ごろ,少なくとも毎年きっちりと事業別に損益を出す,そして公開していくという必要があると思うんですけれども,その点について所見を伺います。
 それから,経営指標が特にないということでございますが,これは経営指標をしっかり設定して,経営のかじ取りを行っていくべきだと思うんですけれども,その点についても市としての考えを伺いたいと思います。
 それから,中期経営計画については,平成29年12月議会の中で,当時,熊木部長が必要となった段階で策定を検討すると,そういう趣旨の答弁があったんですけれども,必要となった段階というのはどのようなときなのか伺いたいと思います。
 それから,最後に,情報公開の規定について,まち会社として整備しないのか,整備しないのであれば,その理由についてお尋ねしたいと思います。

 

産業部長(石黒直樹君)

報告第32号の御質問について,2回目の御質問にお答えいたします。
 初めに,受託事業の再委託率が高いということでございますが,高い低いについては基準がございませんと考えておりまして,勝川開発への委託が最善であるというふうに考えております。
 次に,中期経営計画はございませんが,中長期的な視点で将来を見越した上で,単年度の計画を策定して経営をしております。
 それから,事業別損益計算書,経営指標についての御質問でございますが,情報公開の規定は先ほどないというふうに申し上げましたが,勝川開発株式会社のホームページにて経営状況等の株主総会資料を公開しているところでございます。

 

まちづくり推進部長(前川広君)

まず,受託事業の再委託につきましては,こちらはまちづくり会社へ委託する効果を考えて,私ども委託しております。
 具体的な経営指標につきましては,こちらのほうは,議員の質問を参考にさせていただきます。
 それから,情報公開につきましては,こちらのほうは,地方自治法に基づきまして市議会へ報告させていただいておりますので,現在のところ規定を作成するところまでは考えておりません。なお,高蔵寺まちづくり株式会社のホームページを本年7月に開設しましたので,現在,会社情報の掲載の準備をしていると高蔵寺まちづくり株式会社からは聞いております。
 それから,中期経営計画につきましては,新たに大規模な事業が見込まれるときに作成を検討すると,まちづくり会社からは聞いております。
 事業別損益計算書につきましては,必要性を考えて,現在のところ作成はその時々でしていると聞いております。

 

末永けい

 あと,最後は,情報公開について伺いたいと思うんですけれども,第32号と第33号,一括してお尋ねしたいんですが,ホームページで公開していくという話も今出ました。それは当然のことで,その内容にも今不足があるからこうしてたくさんの項目をわざわざ一々毎回聞かなくてはいけないんですけれども,もう一つ,情報公開条例のことを言われたんですが,市が保有している第3セクターの公文書であれば,情報公開の対象になります。しかし,第3セクターが保有している文書について,市民がそれを見たいと,要は第3セクターが保有していて市が持っていない文書というものがあるはずです,その文書について市民が見たいと思ったときに,どのような対応をされるのか。それぞれ第32号の勝川開発,そしてまち会社について伺いたいんですけれども,これは所管の部長に聞いてもあれだと思うので,市長に伺いたいと思います。市民が第3セクターの情報,文書を欲しいと,見たいというふうに申し出があった場合,まち会社,第3セクター,あるいは市としてどのように対応されるのか,その点について伺いたいと思います。

 

市長(伊藤太君)

今両部長がそれぞれ説明をしたような形の中で,情報公開,あるいは市民への公開と考えているところであります。

 

ひらめき電球質問に対する答えになっていない相変わらず不誠実な答弁です。

「両部長が説明をした形で」とは、「勝川開発株式会社のホームページにて経営状況等の株主総会資料を公開している」「地方自治法に基づいて市議会へ報告している」ことを指しているのでしょうか。だとすると、情報公開の重要性や根本理解がなされていないのではないかと感じます。他市町では第三セクターは当たり前のように情報公開規程がありますが、それが何故か、考えたことがないのでしょうか。

過去から今日に至るまで勝川開発に対して膨大な税金を投入したことについて市民に責任を感じているのであれば、経営の透明性を高めるため情報公開に関して積極的になっているべきで、このような答弁にはならないはずです。行政経営の観点からも、市民自治の観点からも甚だ疑問に感じます。