サブセンター

センターが広く地域の中心であるのに対して、センターと連携して、より狭い範囲の日常生活を支えるよう,買い物や生活サービスを提供する店舗等が整備された拠点のこと。

(令和元年第 3 回市議会定例会 末永けい 一般質問)

末永けい

 サブセンターにあるURテナント,すなわちUR団地内の貸し店舗の活用について取り上げます。
 リ・ニュータウン計画では,近隣住区の商業エリアを分散させたまちづくりへの反省から,当時注目されていたワンセンター方式がいち早く導入され,現在のセンター地区が形成されている。その機能を補完するものとして藤山台地区,岩成台地区,高森台地区にサブセンターが整備されたと記載されております。サブセンターとは,センターが広く地域の中心であるのに対して,センターと連携し,より狭い範囲の日常生活を支えるよう,買い物や生活サービスを提供する店舗等が整備された拠点と説明されています。
 実際に最近寄せられたニュータウン住民の方の声として,URの空きテナントに子育て施設を入れたり,若い人が起業できるようにするなど,テナントを活用する方法を考えられないかという御意見をいただきました。空き店舗になっていると活気がありませんが,地域住民が求める店舗などがテナントに入れば,地域の活性化につながります。URテナントは,ニュータウンの団地では商店街のように地域コミュニティの形成に一定の役割を果たしてきたと考えられます。しっかりと空き店舗の活用をしていくことで,サブセンターを活性化させていく視点が必要だと思います。市として,空きテナントの有効活用を課題と認識し,ニュータウンのサブセンターの将来像がどうあるべきか検討し,URと連携して地域の活性化につなげていただきたいと思います。
 そこで,(1)高蔵寺ニュータウン内のURテナント(団地内貸店舗)の総数,内訳,現在の空き状況はどのようになっているのかお伺いいたします。
 続いて,(2)市の対応についてであります。
 URテナントを埋めるために,市としてはどのような取り組みを行っておられるのかお尋ねします。

(前川広まちづくり推進部長)

 初めに,URテナントの総数につきましては,令和元年5月末時点で計42店舗あり,内訳といたしましては,藤山台団地内が15店舗,岩成台団地内が12店舗,高森台団地が15店舗です。
 空き状況につきましては,市職員が現地調査を行いまして,令和元年6月21日現在では,藤山台団地内が15店舗中空き店舗はなく全て入居されており,岩成台団地内が12店舗中4店舗,高森台団地が15店舗中7店舗の空き店舗がございました。
 次に,市の対応につきましては,本市の単独の取り組みはございませんが,URにおきまして,テナントの入居促進を図るため,新たに商業店舗を経営しようとする方に対して企業支援を行う趣旨から,内装等工事開始から6カ月,無料で施設を貸与するチャレンジスペース制度が実施されております。

 

末永けい

 先ほど答弁の中で,空き店舗の状況についてわかりました。岩成台団地が12店舗中4店舗,高森台団地が15店舗中7店舗ということです。
 リ・ニュータウン計画においては,このように記載があります。「集合住宅内には身近な商業施設としてサブセンターが設けられているが,自動車利用を重視していない立地に加え,近郊における大型商業施設の増加による環境の変化に伴って利用者が減少した。その結果,商業施設が撤退し,飲食,福祉等の施設に入れかわっており,にぎわいが乏しくなっている」と考察されております。URテナントが空き店舗になっている要因は,市はどのように考えておられるのか,お尋ねします。
 また,このような昨今の状況の中で,URテナントを活用していくためには,どのような利用者ニーズがあるのかを把握していく必要があると思いますけれども,市として,住民が望む店舗内容をどのように把握しておられるのかお尋ねします。

(前川広まちづくり推進部長)

 空き店舗になっている要因については,高蔵寺リ・ニュータウン計画にも記載があるとおり,URテナントは自動車によるアクセスに十分に対応できていないことが挙げられます。URテナントにおける住民ニーズにつきましては,把握してございません。

 

末永けい

 市として,今の空き店舗の状況をどのように捉えていらっしゃるのか,空き店舗はどれだけ埋まっているのが理想と考えているのかお尋ねします。

(前川広まちづくり推進部長)

 本市といたしましては,自動車によるアクセス性の要因に基づき,駐車場の確保台数が多い藤山台,岩成台,高森台の順に空き店舗数も同じ順になっていると認識しております。空き店舗解消の理想につきましては,空き店舗がゼロになることと考えております。

 

末永けい

 空き店舗はないほうがいいのが理想ではあるんですけれども,現実的にどこまで活用できるのか,しっかり見立てて目標を定めた上で総括的に策を講じる必要があると思います。
 そこで,先ほどURはチャレンジスペース制度を実施しているということですけれども,この制度は,いつから実施されており,何件の実績を出しているのかお尋ねをします。
 また,市の企業支援ガイドに記載がある助成メニューの中に,商店街空き店舗活用事業助成金がありますけれども,これはURテナントの空き店舗において,この制度は利用できるのかどうかお尋ねします。

(前川広まちづくり推進部長)

 チャレンジスペース制度につきましては,平成16年度から制度が設けられており,実績についてURに問い合わせたところ,非公表とのことでした。商店街空き店舗活用事業助成金につきましては,助成条件の一つにおきまして,都市計画法上の商業地域または近隣商業地域にある空き店舗が対象となっており,URテナントはいずれにも該当せず,制度を活用できません。

 

末永けい

 今,市とURについては,高蔵寺ニュータウンに関する覚書を交わしています。相互協力を行うことがそこの中でうたわれております。それにもかかわらず,URはチャレンジスペース制度の実績すら市に開示しないというのは,URにはニュータウンを活性化するために本気で取り組む姿勢があるのかなと率直に感じております
 平成16年度からURのチャレンジスペース制度が実施されている中で,岩成台が4店舗,高森台は7店舗の空き店舗があるとのことですので,今の取り組みだけでは不十分なのではないかなと思います。サブセンターは,地域住民の皆様にとっては商店街のような地域コミュニティ形成の役割も果たしてきており,URには空き店舗解消へつながる効果的な取り組みを行っていただくよう,市からしっかり働きかけていただきたいと思います。
 そこで,最後にお尋ねします。
 空き店舗になっている要因として,URテナントが自動車によるアクセスに十分対応できていないというふうに答弁が先ほどありました。そこで,URテナントへのアクセス性の向上について,市としてはどのように取り組んでいくのかお尋ねします。

(前川広まちづくり推進部長)

 URテナントへの自動車によるアクセス性の向上については,テナント所有者であるURが駐車場を必要数確保するなどの改善策を講じるべきものと考えております。

 

ひらめき電球市は高蔵寺リ・ニュータウン計画のなかで、サブセンターの「機能を見直す」などとうたっているにもかかわらず、市の姿勢はその意欲に乏しく、有名無実化していると感じました。また、UR都市機構は市民の莫大な税金で市から様々な業務を受託しているにもかかわらず、実のところ市に対して必要な情報共有に協力的でないことに首をかしげざるを得ません。

 

【参考】

高蔵寺リ・ニュータウン計画