市が2018、2019年度の二ヵ年で策定している、次期春日井市都市計画マスタープランについて質疑を行いました。(2019.2.12建設委員会)※都市計画マスタープラン・・・

都市計画法

第十八条の二 市町村は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想並びに都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即し、当該市町村の都市計画に関する基本的な方針を定めるものとする。

春日井市都市計画マスタープラン(現行計画2010▶2019)

春日井市都市計画マスタープラン策定委員会(次期計画2020▶2029の策定状況はこちら)

末永けい

現行の都市マスについては、7つの地域別構想になっているんですけれども、現在の市民の生活圏域とか生活ニーズを起点に、また最も効率的に地域資源を生かせるように、固定概念にとらわれずに、ゼロベースで区割りを考えていくべきだと考えますが、次期計画ではどのようにお考えかお尋ねします。

 

(山田都市政策課長)

現行の都市計画マスタープランの地域区分につきましても、おおむね今回と同様に、地域懇談会や策定委員会などの過程をたどりながら設定したものでございます。策定中の都市計画マスタープランにつきましても、11月、12月に地域懇談会を通じまして、市民の御意見などをお聞きしましたので、今後、策定委員会などでも御意見を伺いながら、地域の分け方・数につきまして検討していくものと考えております。

 

末永けい

現行の都市マスをこれまで運用してきた中で、どのように検証・評価しているのか、お聞かせいただきたいと思います。

 

(山田都市政策課長)

現行の都市計画マスタープランの検証につきましては、計画策定から約9年間、駅周辺の拠点整備が着実に進捗し、土地区画整理事業の進捗に合わせ幹線道路や公園の整備が進んでいるほか、雨水調整池などの防災機能の強化など計画的にインフラの整備が進んでおり、一定の成果が出ているものと考えております。

 

末永けい

現行の都市計画マスタープランでは多くの成果指標が並んでいるんですけれども、直接的に都市計画にあまり関係のないような指標も見受けられます。次期計画においては本当に重要な指標は何なのか、しっかりと優先順位をつけて計画の進行管理を行うべきだと思います。策定中の次期都市マスをどのような視点で捉えて、どのような成果指標を設定していくべきだとお考えなのかお尋ねします。

 

(山田都市政策課長)

例えば、昨年の春に公表いたしました立地適正化計画におきまして、人口減少を緩やかに働きかけるまちづくりのあり方、また、避けられない人口減少の状況におきましても暮らしやすさが維持できるまちづくりのあり方について深く議論がなされましたが、策定中の都市計画マスタープランにつきましても、これをひとつの方向性として踏襲していくものと考えております。今後、成果指標につきましてもそういう方向性の中、策定委員会などで御意見を伺いながら検討していくものと考えております。

 

末永けい

第1回の都市マスの策定委員会では現行計画の検証を行う中で、委員の方から「都市をどのように経営していくのか」と、都市経営の概念について、またそれに係る組織づくりについての言及がありました。公共や民間問わず、あらゆる地域資源を効果的・効率的に組み合わせて好循環を生み出すという発想が必要だと思いますが、現行の市役所は都市経営を推進するための組織図・組織体制になっているのでしょうか。その点はどのように考えておられるのか、お考えをお尋ねします。

 

(山田都市政策課長)

都市計画マスタープランにつきましては、全庁に広く関係する計画であると認識し、そういった点を踏まえまして組織を横断した策定体制を整えました。委員から御質問がございました、持続可能な都市経営という点につきましても、都市計画だけにとどまらない、全庁で取り組むべきことと考えておりますので、組織横断的に連携・調整を図りながら、そこの中で都市計画が担う役割を果たしていきたい、そのように考えております。

 

末永けい

現行の都市マスの策定時には市民アンケートを実施したと思いますけれども、次期都市マス策定にあたっては市民アンケートの実施についてはどのようにお考えなのかお尋ねします。

 

(山田都市政策課長)

昨年2月に、本市の最上位計画となります第六次春日井市総合計画を公表いたしましたが、その策定過程中の平成28年7月に市民アンケートを行っております。このアンケートの実施から期間も過ぎておりませんし、社会情勢も大きく変化しておりませんので、都市計画マスタープランはこれを活用することといたしまして策定作業を進めております。特に「重要度」「満足度」といったアンケート結果を反映すべき点として意識しております。

 

末永けい

先ほどもちょっと話がありましたように、地域懇談会でも意見が出ました公共交通環境についての意見があったということでしたが、先日の地域公共交通会議では、私どもが要望していました地域公共交通網形成計画も2カ年かけて策定していく方向性が示されたところです。都市マスと網計画、この両計画をうまく関連づけながら策定することは非常に重要な作業になることは間違いありません。また、各地域によって市民ニーズ・地域課題は異なりまして、多様化しておりますので、広く市民の意向を把握して計画に反映させるということは非常に重要だと感じております。また、そのための組織づくりが必要だと思います。それらの観点から、事務局の職員体制は現在どのようになっているのかお尋ねします。

 

(山田都市政策課長)

現在、都市政策課につきましては、都市計画・まちづくり・交通企画・審査の4担当・15名で組織されておりまして、都市計画マスタープランの策定業務につきましては、都市計画担当を所管する課長補佐1名と担当主査以下4名、また、交通企画につきましては、交通企画担当を所管する課長補佐1名と担当主査以下4名に従事させておりますが、地域懇談会などを含めまして、適宜必要に応じて、担当に限定することなく、課全体の業務として取り組むなどしております。

 

末永けい

公共交通と都市計画を有機的にうまくリンクさせることで、市民生活の向上とまちの活性化が期待されると思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に1点、リニア中央新幹線の開業は2027年に予定されており、次期都市マスの計画期間になると思いますが、リニアインパクトの受け皿づくり・経済効果などを、どうやってこの春日井の市域に取り込んでいくかというのは、本市の大変重要な課題だと思われますが、所見を伺います。

 

(山田都市政策課長)

JR東海が進めておりますリニア中央新幹線の開通が生み出す人や産業などの交流活性化に大きな期待を寄せているところでございます。名古屋近郊のエリアに立地しております本市の優位性を生かしまして、効果的・効率的にリニア中央新幹線が生み出す活力や賑わいなどを生かしたまちづくりにつきまして、都市計画の側面から、その受け皿の準備を進めていきたいと考えておりますし、都市計画マスタープランが担う役割を果たしていきたいと考えております。

 

(参考)

都市計画区域マスタープラン - 愛知県

春日井市立地適正化計画