春日井市役所敷地内にある文化フォーラム春日井内のスカイフォーラム(屋上庭園・4F図書館に併設)は低未利用地になっています。その一方で、文化フォーラム春日井や市立図書館本館の利用者数は急減少しています。春日井市役所敷地内にある公共施設が低未利用地になっていることはあまりにも情けなく、市民ニーズに沿った活用がされるよう一般質問を行いました。(2018.12.12本会議)

末永けい

 文化フォーラム春日井にあるスカイフォーラムは,現在,図書館4階の中を通って出入りするようになっています。大変日当たりもよく,見晴らしや風通しもよい屋上です。ところが,問題点が幾つかあり,貴重な公有財産が有効活用されていないのが非常に気がかりです。
 雨が降っていなくても,前日や図書館開館前に雨が降ると,スカイフォーラムのウッドデッキの古い木の板にはコケのような変色があり,それが濡れて滑りやすくなっているので,安全上の観点からスカイフォーラムへの出入りを禁止する対応をとっています。せっかく晴れているのに,読書や調べ物の間に外に空気を吸いに出てリフレッシュできないのは大変残念なことです。遠方からスカイフォーラム目当てに来たけれども,入れずにとても残念という声もあるそうです。
 また,植えられている植物にも彩りがなく,利用者の心を和ませるような工夫が必要なのではないでしょうか。
 さらに,1階のカフェやボランティアルームのランチコーナーとしての開放時間を除いて,文化フォーラムは基本的に飲食禁止になっておりますので,飲食にも対応できる快適な空間が整備されれば,外の空気を吸いながら,お茶をしたり,お弁当を食べたり,ちょっぴり優雅なひとときを過ごせるのにと一利用者としても感じます。
 先日の議案質疑でも指摘しましたホテルプラザ勝川2・4・5階の市所有の公有財産に象徴されるように,市民の貴重な財産である公有財産が低利用,低水準の利用率で有効に活用されていないことは,市民にとって損失であり,市の経営陣の責任です。有効活用する道筋を描けないのであれば,管理費がかさむ一方ですから,土地・建物といった公有財産は民間に潔く売却し,別の市民サービスに還元していただきたいと思います。
 そうした責任ある意思決定を行うのが本来の政治の役割だと考えます。市当局においては,公有財産を市民のために有効活用,高度利用を図っていく姿勢をしっかりと持っていただきたいという思いで,それぞれ質問をいたします。
 (1)背景と現状についてお尋ねします。
 まず,スカイフォーラムのリニューアルの対象となる面積をお尋ねします。また,リニューアルの背景や考え方及び隣接する図書館の利用状況の推移,スカイフォーラムの利用状況,さらに維持管理にかかっている費用をお尋ねします。
 続いて,(2)検討についてです。
 スカイフォーラムのリニューアルを検討している主体はどこなのか,部局・組織・団体名をお尋ねします。
 また,スカイフォーラムのリニューアルに向けてアンケートを実施していますが,どのような集計結果が得られたのかお尋ねします。
 続いて,(3)民活(民間活力)の導入についてです。
 公共施設整備には民間資金の活用を最大限検討すべき時代です。施設整備に関する民間活力の導入の考えをお尋ねして,壇上からの質問といたします。

 

(長谷川文化スポーツ部長)

 初めに,小項目1,背景と現状についてでございます。
 スカイフォーラムの面積につきましては,約818平方メートルでございます。文芸館につきましては,来年度には建築後20年を経過し,屋上防水等の耐用年数を迎えることから,改修工事の実施を考えております。
 スカイフォーラムにつきましては,ウッドデッキの腐食や割れなど老朽化が進行し,安全性の低下が危惧されていることから,文芸館の改修工事に伴いリニューアルしたいと考え,より魅力的な空間を目指し,アンケートを実施いたしました。
 図書館本館の貸し出し人数につきましては,平成27年度が20万6,081人,28年度は19万6,700人,29年度は18万9,023人となっております。
 スカイフォーラムの利用状況につきましては,季節や天候により利用者数が左右されますが,1日数人程度の利用が見受けられます。
 年間の維持管理費用につきましては,樹木の維持管理で約60万円,ウッドデッキ修繕等で数万円から100万円程度となっております。
 次に,小項目2,検討についてでございますが,スカイフォーラムの改修につきましては,文化・生涯学習課を中心に図書館,かすがい市民文化財団と調整し,進めております。
 アンケートの結果といたしましては,読書や会話ができる空間や花や植物を眺められる空間がよいとの意見が多く,自由意見では,飲食や日よけに対する要望が多くございました。
 次に,小項目3,民間活力の導入についてでございますが,今回のリニューアルは文芸館の改修工事に伴い施工するもので,施設整備に関する民間活力の導入は考えておりません。

 

末永けい

スカイフォーラムリニューアルのスケジュールについてお尋ねします。

 

(長谷川文化スポーツ部長)

今後のスケジュールといたしましては,屋上防水等とあわせ,来年度に設計,再来年度に施工してまいりたいと考えております。

 

末永けい

 スカイフォーラムは,図書館の中を通って出入りするようになっておりまして,スカイフォーラムと図書館はいわば一体的な施設になっております。私が懸念しているのは,スカイフォーラムに隣接する図書館の利用者数の減少です。図書館の貸し出し人数ベースの利用実績は,平成23年度23万3,742人をピークに年々顕著に減少しており,平成29年度は18万9,023人です。平成23年度23万人で平成29年度は18万人です。この顕著な減少傾向について,市はどの程度の問題意識を持っておられるのか気になっております。
 そこで,スカイフォーラムのリニューアルという事業をどのような目的や数値目標を持って取り組むのか。スカイフォーラムのリニューアルを契機にして,図書館の利用者数の増加につなげていこうという視点を持っているのかどうか。また,どのような目標を設定しているのかについてお尋ねします。

 

(長谷川文化スポーツ部長)

 図書館の利用者は,若者の活字離れやパソコン,スマートフォン等のネットワーク媒体の普及などにより,全国的にも減少傾向となっております。こうした中,スカイフォーラムの改修につきましては,日陰の確保や飲食などについても検討しており,魅力的な空間とすることで,図書館に来られた方がスカイフォーラムへ,スカイフォーラムに立ち寄られた方が図書館へといった相乗効果で,図書館のみならず文芸館全体での来館者の増加につながればと考えております。

 

末永けい

 1回目の答弁では,施設整備については民活は考えていないといったことでございましたけれども,スカイフォーラムのリニューアルに向けてのアンケートの結果によると,読書や会話ができる空間や花や植物を眺められる空間,飲食,日よけに対する要望が多かったとのことで,それらのニーズに応えるために,施設整備に限らず,運営面でもどうやったら利用者ニーズに応えていけるのかをしっかりと考えていただく必要があると思います。
 先ほども別の質問で同じようなことを申し上げましたが,もう今の時代は単にインフラをつくるだけでは人が集まるような時代ではありません。利用者ニーズに応えるリニューアルが必要なのです。そこで,運営面についてですね,民間活力を導入する考えはないかお尋ねします。

 

(長谷川文化スポーツ部長)

 運営につきましては,飲み物等の販売など,利用者が快適に過ごすことができるよう検討しているところでございます。

 

ひらめき電球市にはリニューアルの目的を明確にして、利用者ニーズを最大限に汲んだ、居心地の良い快適な空間を創出して頂きたいです。下記アンケート結果も併せてご参照ください。

 

(参考)

文化フォーラム春日井 4階スカイフォーラム(屋上庭園)のリニューアルに向けてのアンケート(結果報告)