災害時に停電した場合の避難所及び公共施設における非常電源の整備について一般質問を行いました。(2018.12.12)

末永けい
 ことし9月には台風21号,24号の影響により,市内各地においてさまざまな被害が発生しました。被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げますとともに,災害対応に当たられた関係者の皆様に敬意と感謝を申し上げます。
 人的被害,建物等被害,倒木やフェンス・ブロック塀等倒壊などに加え,大規模な停電が発生しました。我が国では,地震,台風,集中豪雨,大雪などの自然災害が多発しており,それに伴って停電が発生すれば,ライフラインが寸断され,市民の生命・健康が脅かされるリスクが増大することになります。
 本市の災害時における停電の状況と対策強化について質問します。
 (1)1点目は,台風21号,24号により市内で発生した停電により,停電した戸数と最長何時間の停電が発生していたのか。21号,24号,それぞれの状況についてお尋ねします。
 2点目は,市の公共施設で停電した施設数は何施設だったのか。また,そのうち避難所に指定されている施設数は何施設だったのか,それぞれお尋ねします。
 3点目は,公共施設においてエレベーターがとまったという状況もお聞きしております。停電が発生した公共施設のうち,エレベーター設置施設での停電による閉じ込め被害の有無についてお尋ねします。
 4点目は,エレベーターが設置されている公共施設は何施設あり,そのうち停電時のエレベーター停止対策がとられている施設は何施設なのか,それぞれお尋ねします。
 続いて,(2)電源の整備についてです。
 災害時に避難所が停電した場合において,電気の使用が必要な避難生活に備えて非常電源をどのように確保する仕組みになっているのか,お尋ねします。

 

(福慶総務部長)

初めに,停電発生時の状況についてでございますが,本年9月の台風により発生した市内における停電の状況といたしましては,9月4日の台風21号では延べ1万4,900戸,最長の世帯で26時間24分発生し,9月30日の台風24号では延べ約4,200戸,最長の世帯で13時間12分発生したと中部電力から報告を受けております。
 また,停電が発生した公共施設は,台風21号では13施設で,うち避難所は4施設,台風24号では6施設で,うち避難所は3施設となっております。
 また,停電が発生した公共施設のうち,エレベーターが設置されている全ての施設において,利用者の閉じ込め事例は発生しておりませんでした。なお,エレベーターが設置されている公共施設は57施設ございますが,そのうち51施設において利用者の閉じ込めを防止する停電時着床装置を備えております。
 続きまして,2点目の避難所における非常用電源の確保につきましては,災害発生時の停電に備えまして,避難所ではカセットガス2本で約2時間程度の使用が可能な可搬式の非常用ガス発電機の備蓄を進めております。また,燃料のカセットガスにつきましては,本市の備蓄に加え,尾張中央農業協同組合のほか,大型商業施設など8社との災害時応援協定により,優先的に調達を確保することとしております。

 

末永けい

9月の停電では,幸いエレベーターの中に利用者の閉じ込め被害はなかったということでございましたけれども,エレベーター設置の57施設中51施設では,エレベーター利用者の閉じ込めを防止する停電時着床装置があるが,残り6施設については,停電時着床装置がないということだと思います。
 災害時にエレベーターに閉じ込められると,利用者が避難できません。また,大規模災害では救助に当たれる人がいなかったり,限られていたり,火災などが伴えば救助活動が非常に困難になるという状況が想定されます。
 市は,公共施設の設置者の責任において,エレベーターの停電時自動着床装置がない残りの6施設について,早急に対応すべきであると考えますけれども,今後の対応をどのようにお考えかお尋ねします。

 

(福慶総務部長)

停電時の着床装置を備えていないエレベーターにつきましては,2020年度の完了を目標に対応機への取りかえなどを既に進めている状況でございます。

 

末永けい

9月の台風による停電では,公共施設のうち落合公園体育館,勤労福祉会館(グリーンパレス春日井),ルネック,勝川駅前地下駐車場,子どもの家,保育園,小中学校,調理場が停電しております。指定避難所の小学校まで停電したとのことで,避難所において市民の生命・健康を守るためには,医療機器や冷暖房機器,照明,情報通信機器等のさまざまな電気機器を使えるよう,電源の確保が必要ですが,避難所運営では,実際の災害の規模や避難者ニーズで十分な電力確保ができるかどうか予測できないところがあります。
 備蓄を進めている可搬式非常用ガス発電機の使用可能時間は約2時間程度とのことですが,9月に発生した停電は,台風21号では最長で26時間,台風24号では最長で13時間でして,先ほど答弁の中では,災害時応援協定の話もありましたけれども,実際にはどれほどのカセットガスを集められるかは定かではありません。
 災害とそれに伴う長期的停電が発生した場合,避難者の生命と健康を守る最低限のライフライン,生活環境を不安なく維持する観点からすると,ポータブル可搬式非常用ガス発電機だけで十分に対応できるものなのでしょうか。
 我が国では,長期的な停電が生じた過去の地震・大雪・水害など,さまざまな災害の教訓から,大規模集中型の系統に依存しない自立・分散型のエネルギーシステム構築が喫緊の課題となっております。熊本地震においても,防災拠点等の公共施設にあらかじめ設置された太陽光発電設備と蓄電池等のほぼ全てが想定どおりの機能を発揮して,避難者の生活支援,復旧に向けた早期の活動開始に寄与したという事例もあります。
 本市では,指定避難所を初めとする公共施設において,災害時に使用可能な太陽光発電等の再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせたシステムなど,自家発電設備を整備する方針はどのようになっているのかお尋ねします。

 

(福慶総務部長)

御質問の大容量の自家発電設備の整備につきましては,各施設の目的とか使用形態などから,個別に必要性を判断してまいりたいと考えております。

 

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