高蔵寺リ・ニュータウン計画の一部見直しにあたって、「旧西藤山台小学校施設への生活利便施設の誘致による整備」を先行プロジェクトに追加し、「自動運転など先進技術による快適なまちづくり、高蔵寺ニューモビリティタウンの推進」は、展開プロジェクトや課題に応じた主要な施策の関連部分を加筆修正した内容で、「高蔵寺リ・ニュータウン計画の一部改定中間案」が示され、質疑を行いました。(末永けい 建設委員会)

末永けい

旧小学校施設について、体育館は残置し、避難所・投票所機能は確保するということですが、校舎については既に小学校としては利用していないわけで、市が負担を続けている維持管理コストが気になっております。現在、校舎の維持管理コストはどれぐらい経費を要しているのか。

(市の回答)

今年度予算におきまして、自家用電気工作物保安業務や受水槽・高架水槽清掃業務など、各法定点検費用として約195万円を支出しているほか、突発的な修繕に対応する費用として187万円を計上しております。

 

末永けい

今後のライフサイクルコストの視点で考えたときに、今後の大規模修繕などのコストを試算した計画や見込みはあるんでしょうか。校舎についてお尋ねします。

(市の回答)

現在のところコスト試算などはしておりませんが、今後活用検討の中で必要に応じて試算してまいりたいと考えております。

 

はてなマーク「必要に応じて」とはどのような時なのか気になります。

 

末永けい

改定案の中の具体的取り組み例の中で、土地については市が所有する旨、体育館は残置する旨の記載がありますが、校舎については今後どのような位置づけで考えているのか。

(市の回答)

中間案の中で校舎を含むエリアについては、第2期整備エリアというふうに表記してございますが、第1期整備エリアと調和した、生活が豊かになる機能の展開を目指し、というふうに記載しておりまして、今後校舎の存続の是非を含めて検討してまいりたいと考えております。

 

末永けい

校舎存続の是非を問わず、民間活力を利用して市の財政負担によることのない機能誘導を図っていただきたいと思います。
続いて、リ・ニュータウン計画の改定案については、高蔵寺リ・ニュータウン推進会議においても議論されておりますが、どのような意見が出ていましたでしょうか。また、それらの意見が本日の中間案ではどのように反映されているのか。

(市の回答)

委員のほうから、西藤山台小学校施設につきましては子育て世帯の移住を促進できるよう、旧西藤山台小学校施設の活用整備で、地域以外の人も呼び込むような表現を計画に加えてほしいという意見がございましたので、推進会議での案から本中間案では、プロジェクト概要のところで「周辺地区も対象とした」という表記の追記と、「創造する活動のイメージ」のところで「新たな居住者を呼び込むことにもつながる」という部分を追記しております。

 

末永けい

ただいま御説明がありました追記した部分について、「新たな居住者」というふうにありますが、どのような人を想定しているのか。

(市の回答)

リ・ニュータウン計画では、人口、子育て世帯の増加というところを目指しておりますので、主にニュータウン外からの子育て世帯の転入者を意図しております。

 

ひらめき電球こちらの表をご覧ください!

 

末永けい

今、人口だとか子育て世帯という話が出ましたが、計画の改定ということで目標値の進捗を確認いたしますと、人口と子育て世帯の割合、それぞれがKPIとなっておりまして、子育て世帯の割合については、平成27年19.7%を基準値に10年後の目標値は25%としております。ところが、平成30年は18.4%と、年々右肩下がりになっています。同じく人口についても、平成27年基準値4万5,217人に対して、10年後の目標値は4万8,000人としている中で、平成30年は4万3,182人と、こちらも年々右肩下がりになっています。つまり、目標値である人口、子育て世帯の割合、いずれも増加に持っていけておらず、かなり深刻な状況だというふうに考えております。それで、現在の市の施策は的が外れているのではないかなと懸念をしております。このままいって、本当に目標値を達成できるのかどうかということですね。それで、推進会議の1回目では、目標値を見直したらどうかなどという意見がありましたが、目標値は根拠を持ってもともと設定しているわけで、目標値を達成できそうでないから目標値を見直そうなどという議論は本末転倒だと思ってます。それで、まずは市やこの計画の施策がなぜ成果を上げられていないのかを検証する必要があると思うのですが、これまでの市や計画の施策がなぜ成果を上げられてないのかということに対して、その要因をお尋ねします。

(市の回答)

まだ正確な検証はできておりませんが、取り組みを始めてまだ期間が2年半ほどですので、今後の推移を見守っていきたいというふうに考えております。

 

末永けい

3年ぐらい経過してますので、しっかりとその要因については、進捗を確認しながら分析をしていただくように要望いたします。人口とか子育て世帯の割合をふやそうということについては移住促進施策だと思うのですが、ターゲットをある程度絞った取り組みが有効だと思いますので、しっかりと目標値にコミットした施策を新たに考えていく必要があるのではないかと指摘をしておきます。
それからもう1点、「周辺地区も対象とした」ということの追記があったということで、これは近隣住民だけでなく、地域外の人も利用を想定しているということだと思います。そこで懸念していますのが、地域外からの交通の利便、駐車場の確保についてです。と申しますのも、現在、
旧藤山台東小学校施設グルッポふじとうでは、複数の公共機能を有する複合施設にもかかわらず敷地内に駐車場が足りておらず、基本的に満車状態で、子育て世帯や高齢の方など多くの利用者の方たちが非常に不便を感じており、困っていらっしゃいます。グルッポふじとうの敷地内に駐車場を増設するように先の議会等で強く要望してきておりますが、今回のこの西藤の活用については、あとになって駐車場が足りなかったなどと施設の利用者が不便を感じることがないようにしていただきたいと思うのですが、そうした利用者視点という基本的なことを忘れないでいただきたいと思っております。駐車場の確保については、市はどのように考えているのか。

(市の回答)

第1期整備エリアにつきましては公募をしていくということですので、その提案を見て判断してまいりたいと考えております。

 

末永けい

続いて、交通の関係についてでございます。改定案で「新たなモビリティサービスの導入を図る」と追記をされておりますが、具体的に、今年度考えている新たなモビリティサービスの導入に向けた事業はどのようなものなのか。

(市の回答)

まず、今年度の取り組みですが、タクシーの相乗りによる輸送とボランティアドライバーが所有する車による輸送を考えておりまして、これらの利用ニーズや社会受容性などを検証するために、今年度中に実証実験を行う予定をしております。タクシーの相乗りにつきましては、全国で初めて市内タクシー会社5社が連携した形で実験を行いまして、ボランティア輸送は、今後ボランティアドライバーを募集しまして、ラストマイルを意識した住民共助による輸送の実験を行います。両方の実験については、年明けの1月から約2カ月間行う予定をしておりまして、高蔵寺ニュータウン居住者から高齢者を含めましたモニター1,000名程度を募集するとともに、名古屋大学が開発した行先や時間などをマッチングするシステムを活用してまいります。

 

末永けい

今御説明ありました取り組みを実施したのち、将来的にはどういった展開を考えているのか。

(市の回答)

タクシーの相乗り輸送といった既存の交通の輸送メニューがふえ、タクシー事業で採算性の乏しいラストマイルはボランティアによる輸送が担うなど、適切な役割分担がなされた交通システムの早期社会実装を目指してまいります。なおラストマイルにつきましては、昨年より実証実験を行っております自動運転技術を活用したゴルフカートなどの車両が役割を担っていくということを考えております。

 

末永けい

「既存交通事業者(バス・タクシー等)」といった記載があるのですが、私、これまでにデマンド交通の実施の要望・提案してきておりますが、当建設委員会でもこの夏、デマンド交通を行政視察してまいりました。住民や自治会と、タクシーなどの交通事業者と行政が連携して運行するものですが、都市政策課や春日井市地域公共交通会議においても他市の事例など調査研究・議論されております。市内でデマンド交通を実施・実現していくためには、住民や市役所がタクシー事業者などの交通事業者とこれまで以上に密な連携を行っていく必要があります。タクシー事業者などの既存交通事業者とは、今後を見据えて、日ごろからどのような調整を行っているのか。

(市の回答)

昨年度、既存タクシー組合やバス事業者、名古屋大学、愛知県などを構成員として、高蔵寺ニュータウン先導的モビリティ検討会議というものを設置しまして、新たなモビリティサービスの導入に向けた課題や情報の共有を行っておりまして、今年度も先月10月26日に、新たに国土交通省や経済産業省など多数の国の機関も構成員に迎えまして会議を行ったところでございまして、各構成員とは協力体制のもとで検討を進めている状況でございます。

 

(参考)

高蔵寺リ・ニュータウン計画

春日井市高蔵寺リ・ニュータウン推進会議

春日井市地域公共交通会議