市内公私立保育園の使用済みおむつへの対応について一般質問を行いました。(末永けい 本会議)
末永けい
かつては3歳児や4歳児からの2年保育,3年保育が中心で,もうほとんどおむつがとれた年齢のお子様が保育園に来ていましたから,使用済みおむつの処理はそれほど大きな問題にはならなかったかもしれません。しかし,今日ではゼロ歳児からの乳児・低年齢児の保育ニーズが急速に増加(※)しておりますので,おむつは必須の保育用品になっています。
したがって,使用済みおむつを各保護者が持ち帰る方式の処分方法は,保育園の現場において保護者や保育士の非常に大きな負担になっています。午前中に使用したものも含め,使用済みおむつは夕方や夜まで保管され,それを各保護者が持って帰るわけですから,衛生上の問題も指摘されております。
そもそも,主に働くママ,パパが保育サービスを利用していますので,仕事で使う重いパソコンや書類もあるでしょうし,ただでさえお着がえの服など子どもの荷物は非常に多いわけでありますので,使用済みおむつまで持ち帰るというのは非常に大変で,保護者の負担が大きく,非合理な慣例が続いています。
一方で,保育士は各保護者から預かったおむつを使用後,保護者から預かったバケツや袋に入れて,またそれを間違えずに各保護者に返すということを,おむつが必要な園児ごとに行っています。保育士が園児一人一人の使用済みおむつを管理するのは極めて非効率な状況です。ただでさえ緊張感漂う低年齢児の保育の現場でそんなことをしていると,園児に目が行き届く時間が減ってしまいます。園児に接する時間をふやし,本来の保育に専念できる環境を整えるべきではないでしょうか。
(1)私立保育園において,使用済みおむつを保護者が持ち帰っている園の数及び園内廃棄している園の数をそれぞれお尋ねします。
(2)公立保育園では,全園で保護者に使用済みおむつを持ち帰ってもらっています。厚生労働省の保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)では,交換後のおむつは,ビニール袋に密閉した後に蓋つき容器等に保管する。交換後のおむつの保管場所について消毒を行うなどとされています。
本市の公立保育園における使用済みおむつの保管方法及び保護者の持ち帰り方法をそれぞれお尋ねします。
※近年、春日井市内でも低年齢児の保育ニーズが顕著に増加しています
公立保育園,私立保育園,それぞれにおける過去3年間の年度当初の3歳未満児及び3歳以上児の申し込み者数と入所者数(公私立保育園等の合計)
平成28年度当初の申し込み者は,3歳未満児2,076人,3歳以上児4,256人,入所児は,公立の3歳未満児1,237人,3歳以上児3,143人,私立の3歳未満児588人,3歳以上児1,011人です。
平成29年度当初の申し込み者は,3歳未満児2,189人,3歳以上児4,126人,入所児は,公立の3歳未満児1,254人,3歳以上児3,047人,私立の3歳未満児709人,3歳以上児984人です
平成30年度当初の申し込み者は,3歳未満児2,317人,3歳以上児4,065人,入所児は,公立の3歳未満児1,235人,3歳以上児2,966人,私立の3歳未満児814人,3歳以上児1,000人
(市の答弁)
1点目の使用済みおむつの私立保育園等での状況でございますが,保護者が持ち帰っている園は21園,各保育園で処理している園は10園となっております。
2点目の公立保育園における保管方法でございますが,トイレに保護者が用意したバケツや袋などに,保育士が使用済みおむつを入れ,保管し,お迎えのときにお渡ししております。
末永けい
私立保育園のうち,保護者が使用済みおむつを持ち帰っている21園について,使用済みおむつの保管方法はどのようになっているのか,お尋ねします。
(市の答弁)
公立保育園と同様な方法やふたつきのごみ箱に保管していると聞いております。
末永けい
私立保育園のうち10園では園内で廃棄しているとのことでありましたが,園内廃棄している私立保育園の処分方法及びかかる費用をお尋ねします。
(市の答弁)
これにつきましては,公共施設から出る可燃ごみとして処理をしております。
末永けい
園内で処理している私立保育園の10園では,今御説明がありましたように,既に公共施設から出る可燃ごみ,事業系一般廃棄物として処理しているということですが,東京都の豊島区では,ことし4月から区内の区立・私立保育園等全ての認可保育施設に在園する園児の使用済み紙おむつを保護者が持ち帰らなくて済むよう,区が回収・廃棄を始めました。
仮に,本市において豊島区のように全ての公立保育園,私立保育園等を合わせて,保護者による持ち帰りではなく,全ての保育園が園内で廃棄して,市が回収・廃棄した場合にかかる市の費用をお尋ねします。
(市の答弁)
現在の処理といたしましては,公共施設から出る可燃ごみとして環境部が収集運搬業務委託において収集しておりますが,使用済みおむつの処理を含めますと増額になることが想定されます。
末永けい
既に本市では,小中学校や子どもの家,ふれあいセンターなど191カ所の公共施設で出たごみを,3,791万円で公共施設ごみ等収集運搬業務を委託しております。それらの施設の中には保育園も含まれておりますので,使用済み紙おむつを新たに回収する対象にしたとしても,そこまで費用がふえるようには思えません。
公立・私立全ての保育園においてもおむつを園内廃棄できるよう,市が回収・廃棄すれば,保護者の負担軽減,保育士の負担軽減,保育環境の改善,衛生面の改善等がなされ,十分な費用対効果が期待できるのではないでしょうか。
現在,公立保育園の全園,私立保育園等21園で保護者が持ち帰りとしていますが,使用済みおむつを保護者が持ち帰って処分するのではなく,市が回収・廃棄することで,各保育園が園内で処分できるようにする考えはないのか,お尋ねします。
(市の答弁)
使用済みのおむつの処理につきましてはこれまでも検討してきておりまして,保護者の御意見や医師からの助言などを勘案しまして,今後各保育園で処理するよう既に調整しているところでございます。
曲がりなりにも、春日井市役所は「子育て宣言」をしているのですから、私末永けいからこのような指摘を受けるまでもなく、春日井市役所は率先して子育て世代に寄り添った取り組みを行うべきではないでしょうか?