全国的に問題になっている部活動の在り方について、私は、いち早く春日井市の部活動の問題点をただしてきました。また、市は監査から部活動専門講師派遣事業について、別の角度から指摘を受けました(監査報告書平成29年度前期分)。そうした点も含めて、報告事項平成29年度教育に関する事務の点検及び評価報告書について、部活動に係る質問を行いました。(末永けい 文教経済委員会)

末永けい

23ページ、24ページ。部活動専門講師の派遣派遣実績が年々増加しております。平成24年度からの係る決算額の推移は?また、当該事業費については、ほかの自治体と比べてどうなのか、多いのか少ないのか。それから、これら当該事業の財源については全額市費なのかどうなのか。

(市の答弁)

決算額の推移でございますが、平成24年度は3,1049,000円、25年度は3,0926,000円、26年度は3,0289,000円、27年度は3,3224,000円、28年度は3,5198,000円となっており、全額市費での支出となっております。次に、他市との比較についてですが、人件費ベースで見ますと、小牧市は小中学校合わせて25校で743万円、本市は52校で3,2873,000円となっております。

 

末永けい

部活動専門講師派遣事業について、年度の決算額が増加傾向にあること。そして他市との比較については、小牧市は25校で743万円、春日井市は52校で3,287万円になりますので、本市はかなり手厚くなっている。

 ところが、その部活動専門講師の総数について、年々増加しているということについては、監査委員のほうから、地域事情の必要性を十分に説明できるものではなかったと指摘があります。事業に対する検証が不十分な旨、あるいは全体的な計画や具体的な配置基準が明確でない旨の指摘があるが、今後、全体的な計画や具体的な配置基準をつくっていく考えはあるのか。また、事業効果の検証をどのように行っているのか。

(市の答弁)

部活動専門講師については、各部活動における顧問と専門講師の役割分担、専門講師の配置時間等を含めた計画について検討し、配置しております。さらに、配置基準につきましては、前年度の活動実績や各部活の活動状況等を考慮した配置を実施しております。

 事業効果の検証につきましては、講師派遣を実施している全ての部活の顧問へ聞き取り調査を実施し、顧問と専門講師の連携状況等から効果について検証を行っております。

 

末永けい

本事業については全額市費での支出ということだが、市の財源は無限にあるわけではありませんほかにも優先的に取り組まなければいけない市の課題はたくさんあるわけですので、配置基準などを設けて、どこまでが市の事業として取り組む必要があるのか、一定のめどをしっかり設けることはどの事業でも言えることではあるんですけれども、きわめて重要だと思います。

 それから、私は2017年3月議会の一般質問で、部活動はあくまでも教育課程外のものであって、生徒や教員の負担やストレスにならないように、市内中学校部活動において休養日、活動時間は、市として基準なり目安なりをしっかりと設けて運営されているのかどうか、部活動の適正化について説明を求めました。当時、部活動のあり方について検討していると答弁だったが、現在の検討状況やその後改善されたことはありますか。部活動の休養日など、具体的な改善内容や周知方法について、市から各学校にどのように指導されているのか。

(市の答弁)

部活動につきましては、教科外活動とはいえ教育的意義が高く、児童生徒における心身の健全な育成に寄与するものと考えておりまして、児童生徒や顧問の教員に過度な負担がかかることがないよう部活動指導の改善を図っております。具体的な改善内容として、平日の朝の活動は週1回以上休みにする。平日授業後の活動は月1回以上休みにする。週休日の活動は原則としてどちらかの日を休みにするなどとしております。こうした部活動指導の方向性につきましては、校長を通じて各学校に周知するとともに、4月に保護者の皆様に文書で周知を図ったところでございます。

 

末永けい

部活動の専門講師について、年々増加しているということの背景には、春日井市は部活動の日数や活動時間が多すぎることがひとつの大きな原因だと思っております。それはなぜかと言いますと、国の基準や県教委の教員の多忙化解消プランにおいては、中学校は週2日以上の休養日を設ける基準を定めているのにもかかわらず、本市はおおむね1日以上というふうになっております。本市は部活動について現場が加熱気味なのではないかという点について危惧している。国や県が示す休養日を設けていないわけですので、週休2日でないわけですから、必然的に教員も多忙化してしまう。国や県の基準で休養日を設けていないのに、例えば多忙化解消について県に予算措置を要望するにしても、これはちょっと筋が通らない話になりますので、国や県の基準に合わせて週2日の休養日を市として設定するべきだと思いますが、市の所見は?

(市の答弁)

部活動指導の改善につきましては、各部活によってこれまでの活動内容を見直しているところであり、また、保護者の皆様の御理解をいただきながら改善を進めていく必要があることから、本市におきましては、当面おおむね週1日の休養日を設けるものとしてまいります。

 

末永けい

必ずしも練習時間をたくさんとったからといって効果が上がるわけではありません。むしろ昨今では、積極的な休養日を設けたほうがいいパフォーマンスを出せている事例も出てきているぐらいです。あくまでも、部活動は教育課程外の活動でありますので、生徒や教員が負担やストレスを感じる状況はあってはなりません。現場の一部の教員や保護者の方からもっと活動日数や活動時間をふやしてほしいというような要望があったり、ヒートアップしていたとしても、市としては、現場とは異なった客観的な視点で部活動の実態を見ていく必要がありますし、加熱した活動状況があれば厳しく歯止めをかけていくのも市の役割だと思います。したがいまして、増え続けている部活動専門講師のこの事業の検証や配置基準をつくるだけでなくて、その前提として、そもそも市としての部活動の運営のあり方、適正化を進める必要がありますし、まず本市としては国や県の基準で休養日を設定することを要望いたします。

 

(参考)

運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン-スポーツ庁

教員の多忙化解消プラン - 愛知県

平成29年度教育に関する事務の点検及び評価報告書