他市で実施されている小型家電リサイクル法の認定事業者と連携した、宅配便による使用済小型家電の回収を春日井市においても導入し、市民の皆さまの排出方法の拡充による利便性向上と資源化率を向上させることを提案しました。(末永けい 2017年12月13日 本会議一般質問)

末永けい

 小型家電リサイクル法は,携帯電話,デジタルカメラ,携帯音楽機器やゲーム機器などの貴金属や希土資源を含む小型家電の廃棄による環境汚染の防止と,レアメタルやレアアースなどの希土類や貴金属資源の再資源化を目的に平成25年4月に施行され,市町村等の関係者が自発的に回収方法やリサイクルの実施方法を工夫しながら,それぞれの実情に合わせた形で再資源化を促進することにより,廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図ることとされました。

  総務省は先月21日,小型家電リサイクルの実施状況に関する実態調査〈結果に基づく勧告〉を公表し,必要な改善措置について,環境省,経済産業省に勧告しました。国の基本方針では,使用済み小型家電の再資源化を実施すべき量の目標として,平成27年度までに市町村等により回収された再資源化した量を全国で1年当たり14万トンにすることが掲げられていました。しかし,その実績は,平成25年度が2.4万トン(目標の17.1%),26年度が5.0万トン(目標の35.7%),27年度が6.7万トン(目標の47.9%)と,目標を下回った状況であったことから,小型家電リサイクルの効果を上げるためにはさらなる取り組みの促進が必要となっています。

  また,事業の採算性の観点からは,国の調査した144市町村のうち,平成27年度末時点で回収した使用済み小型家電の売却額のほか,引き渡しに要する運搬費等を含めた取引全体の損益を把握している市町村は85市町村であり,うち,取引全体での利益が生じている市町村が67市町村(78.8%),取引全体での損益がゼロとなる市町村が5市町村(5.9%),取引全体での損失が生じている市町村が13市町村(15.3%)であったとのことです。

本市においては,デジタルカメラや家庭用ゲーム機など,使用済みとなった小型家電製品やパソコンの収集はどのように実施しているのか?また,市が小型家電リサイクルを行うに当たっては,採算性を意識して取り組むことが重要です。本市の現行の回収方式による収集実績,収集に係る委託金額,売却金額は?

ごみステーション収集方式以外のほかの回収方式としては,近隣自治体では,名古屋市では,ゲーム機,電話機,音響機器,デジカメなどを市内の総合スーパーや区役所の回収ボックスに排出する方式。また,小牧市では,市が民間事業者(小型家電リサイクル法に基づく認定事業者)と協定を締結し,宅配業者を活用し,あらかじめ段ボール箱に入れられた使用済みパソコン等の小型家電の戸別回収も行っています。小型家電リサイクルについて,ごみステーション回収以外の新たな回収方式について,そのメリット及び実施している自治体の導入コストを市はどのように把握しているか。

(市の答弁)

 市では,使用済みとなった小型家電製品につきまして,平成25年4月に,燃やせないごみから小型家電製品を含む金属類として収集するよう変更しており,市民の皆様が毎月1回土曜日にごみステーションへ排出できるようにしております。なお,パソコン収集については,資源有効利用促進法に基づき,パソコンメーカーなどが回収するよう義務づけられております。金属類の収集実績につきましては,平成25年度が670トン,26年度が450トン,27年度が361トン,28年度の収集量は430トンとなっております。

 次に,金属類の委託金額と売却金額につきましては,金属類の委託金額は約2,700万円となっており,売却金額は28年度決算で1073,223円でございます。

 次に,②につきましては,市ではごみステーション収集以外は実施しておりませんが,市民が民間のリサイクル認定事業者に直接申し込みをして宅配便で排出する方法などがございます。この方法につきましては,市民が収集日以外でも自由に排出できますが,一般的に費用が発生いたします。また,導入による市のコストにつきましては,特に費用はかかりません。

 

末永けい

 現行のごみステーション収集方式における問題点は?

  また,国の調査結果では,使用済み小型家電の排出時における個人情報削除に関する周知や保管場所における施錠等の個人情報保護対策が実施されていない例があったことから,市町村に対し,消費者への個人情報の削除に関する周知及び保管場所等における個人情報保護対策の実施を徹底するよう促すことを環境省に勧告しています。小型家電リサイクルに係る個人情報保護対策の適切な実施について市の対応の考えは?

(市の答弁)

 ごみステーションの収集における問題点につきましては,持ち去り行為が横行しておりますので,職員による監視を実施するとともに,警察にも協力を依頼しておりますが,対応には非常に苦慮している状況でございます。

 また,収集した金属類は全て破砕処理をしておりますが,情報端末など小型家電製品を廃棄される場合には,記録されている個人情報を削除してから排出していただくことが必要でございますので,今後は,市ホームページや資源・ごみの出し方便利帳などのリーフレットで注意喚起してまいります。

 

末永けい

 ステーション回収方式だと,市民の皆様がステーションに排出したものを持ち去り行為があると貴重な資源を100%回収できないことになります。市と認定事業者との連携による戸別回収が実施されれば持ち去りもなく,市民の皆様から排出された資源は確実に回収されます。個人情報保護の観点からも安心感があると思いますし,収集日以外でも自由に排出できるので,市民の皆様の排出方法の選択肢も増え,利便性の向上につながり,使用済み小型家電の回収が促進されることが期待できます。また,事業を実施するための市のコストはかからないとのことです。小型家電製品の収集について,ごみステーション収集方式だけでなく,新たな回収方法を実施する考えは?

(市の答弁)

 市による新たな回収方法については,リサイクル認定事業者が実施している宅配便を利用した回収について,他市の導入事例などを参考に調査してまいります。