報告第24号 平成28年度勝川開発株式会社の経営状況について(平成29年9月定例会 末永けい 本会議質疑)

春日井市は勝川開発に対し「引き続き健全経営の継続に向けて,より一層の努力を重ねるように指導・助言を行ってまいります。」などとしていますが、本当にしっかりした中身のある指導・助言を行っているのでしょうか?

①損益計算書の売上高は昨年度よりも増加しておりますが,売上高増加の主な要因については,市からの指定管理料の増加によるものです。売上高に占める指定管理料の割合は?

②市は勝川開発の親会社として,経営健全に向けて指導助言を行うに当たっては,効果的な経営分析を行う必要があります。そのためには,キャッシュフロー計算書を見れば,より経営の実態がよくわかると思いますが,キャッシュフロー計算書はあるのか?また,セグメント損益のわかる事業別損益計算書はあるのか?

③現在,勝川開発の主な事業として,不動産賃貸事業,公の施設の指定管理事業,施設の管理事業がありますが,それぞれの収支状況はどのようになっているのか?

 と申しますのも,三セクの経営は市からの委託料や指定管理料(市民負担の税金投入)に頼るのではなく,勝川開発の経営努力によって健全化を進めていかなくてはなりません。今後,指定管理事業以外の事業で伸ばしていこうと考えている事業はどの部門なのか?

④長期借入金が105,060万円となっております。105,060万円のうち,市が貸し付けている大部分については,本来は市が通常の市民サービスを行うための資金です。勝川開発に無利子で貸し付けている状況は異常な事態であり,大方の市民の皆様の理解は得られませんので,早期に一般会計に返還をする必要があります。返済計画はどのようになっているのか?

⑤現金預金が1億4,3787,310円となっております。こんなにプールしておく必要があるのかなと率直に感じます。一定の運転資金が必要なことは理解できますが,現預金1億4,3787,310円のうち,定期預金は7,3304,200円と伺っておりまして,これは平成27年度決算と比べて変動がありません。運転に必要な現預金は定期預金以外で十分賄えていると思いますので,このまま定期預金としてプールしておくのではなくて,長期借入金の返済に充てるべきだと考えますが,所見を伺います。

 また,長期借入金のうち,都市開発資金以外の市からの借り入れの部分についてですが,今,無利子になっておりますけれども,市は有利子の貸し付けに切りかえるべきではないかと考えますが,その点についても所見を伺います。

(市の回答)

 初めに,売上高に占める割合は約28%でございます。また,キャッシュフロー計算書は作成しております。
 次に,事業別損益計算書につきましても作成しております。また,3事業とも営業利益を計上しており,中でも不動産賃貸事業につきましては,ホテルプラザ勝川,ルネック,勝川駅南口ビルなどの営業利益が黒字となっております。なお,不動産賃貸事業は収益の柱であり,現在検討中の勝川駅南口立体駐車場の24時間営業化に伴います駐車場賃料や,ことし3月に開始いたしましたコミュニティ住宅一般貸し出しによる賃料の増収などにも注力してまいります。
 次に,長期借入金の内訳につきましては,貸付金残高が8億7,000万円,都市開発資金の貸付残高が1億8,060万円となっております。このうち,都市開発資金につきましては,国の制度により無利子融資となっており,返済計画につきましては,貸付金が平成48年度まで,都市開発資金が平成35年度までとなっております。
 また,現金及び預金につきましては,地権者からの権利の買い取りなどに対応するために必要な資金と考えているため,長期借入金の返済の充当につきましては考えておりません。なお,8億7,000万円の貸付金を有利子で貸し付けることにつきましては,過去の議会におきまして,市の方針としてホテルプラザ勝川に対する金融機関からの有利子負債の解消を図り,ホテルの経営再建をしたところであることから,貸付条件を変更する予定はございません。

 

末永けい

 長期借入金の利子についてでございますが,過去に市の方針で決めたから変更しないということは,これは全く理由にならない。参考までに、市の一般会計は,平成28年度は水道会計や病院会計から借り入れを行っている。“身内”間の貸し借りになりますので,低金利ではあるものの,0.06%の利子支払いを行っております。市が勝川開発に貸し付けている元金は,本来は市民サービスに充てられるべきものですし,利子支払いしたとしても,これは一般会計に入っていくものですから,経営の規律を保つためにも最低限そのぐらいの金利負担はして然るべき。

 いずれにしましても,勝川開発は非常に立地条件のよい場所に固定資産を所有しており,こうした好条件に甘んじることなく,これまで以上に資産を有効活用できるように経営努力を行い,市からの指定管理料に頼らない自立した経営を行えなければ株式会社としての存在理由はありません

 一回目の質問で、キャッシュフロー計算書や事業別損益計算書を作成されているということがわかりました。市は勝川開発の親会社であり,債権者でもあります。勝川開発に対して緊張感を持って指導・助言する立場であり,早期に経営改善を進める責任があります。議会などからも経営改善に関してさまざまな知見を得ることが必要だと思いますので,キャッシュフロー計算書,事業別損益計算書,そういった判断に資する重要書類に関しては,議会にも報告資料として提供していただくことを要望しますが,所見をお尋ねいたします。

(市の回答)

御意見として参考とさせていただきます。