スポーツは、オリンピックやプロ選手を目指したり、競技大会などで勝敗や順位を競うことだけではなく、リクリエーションや健康・体力づくりなどといった生涯取り組めるものとして、人や地域との交流を促進し、地域の活力を醸成するものであり、人間関係の希薄化等の問題を抱える地域社会の活性化に大きく寄与することが期待されます。

その一方で、年齢や性別問わず、自身の健康づくりの必要性を感じているものの、なかなか行動に移せない方も大勢いらっしゃいます。最新のスポーツ科学やケガの防止などの正しい知識などの運動やスポーツの理解促進や市民の皆さまがスポーツに触れられるきっかけが市民生活の中で充実していることが望ましいと思います。

それらの観点から、自治体と、大学や企業の人材・施設といった、いわゆるスポーツ資源を、相互に効果的に活用した取り組みを実施することによって、市民の皆さまが運動・スポーツに親しめるきっかけを作り、健康増進やスポーツのレベルアップ、地域の活性化につなげていくことができます。市が大学や企業、地域の運動・スポーツ団体と密に連携を図ることによって、市民の皆さまのスポーツニーズをさらに満たす取り組みを実施できます。例えば、大学や企業のスポーツ施設等において、教員や学生等による地域住民を対象とした定期的なスポーツ教室、スポーツセミナーなどの指導やスポーツ交流大会等を実施することを始め、

○デイサービスセンターなどの高齢者施設で、介護予防のための筋力トレーニングや運動・スポーツプログラムなどを指導する活動。

○ 大学等において、スポーツ医・科学の研究成果を活用した地域のスポーツ指導者の養成。

○ 地域住民が、大学や企業の教育・研究施設を活用し、人材育成のためのスポーツフォーラムや研修会を開催するとともに、スポーツ医・科学データに基づく運動・スポーツプログラム。など、様々な取り組みが期待されます。

大学や企業のスポーツ資源を地域住民の運動・スポーツ活動にも活用することは、地域のスポーツ環境の充実に効果的であり、大学や企業を核とした地域コミュニティーの活性化に繋がります。国では、H25、26年にスポーツを通じた地域コミュニティー活性化促進事業が国の委託事業として実施され、現在は国の補助事業、スポーツによる地域活性化推進事業として自治体、スポーツ団体、企業等が一体となって、スポーツ振興、スポーツを核として地域活性化の促進を図るものとして、実施されています。我が国は、東京オリンピックパラリンピックを目前に控えているなかで、春日井市においては、文化スポーツ都市宣言を行ったところですので、大学や企業と協力して新たな取り組みを展開すべきときにあります。大学や企業と連携を図り、スポーツ資源を相互に活用し、運動やスポーツを通じて地域活性化する考えについて、市の考えをただしました。(末永けい 2017.6議会 一般質問)

(市の回答)

 大学と連携したスポーツを通じた取り組みの現状につきましては,中部大学の学生が新春春日井マラソン大会で救護員を務めていただいていること,学校区体育振興会主催の地域の行事において,教員や学生が参加していただいていること,また企業との連携につきましては,王子硬式野球部が都市対抗野球大会に出場の際,市と連携する中で,市民の皆様とともに応援していること,愛知県市町村対抗駅伝競走大会では,代表選手が愛知電機女子陸上競技部の選手に指導していただいていることなど,スポーツを通してさまざまな取り組みを行っております。

 大学や企業と連携する中で,スポーツを通じて地域の活性化を図ることについての御質問でございますけれども,本市といたしましては,地域においてスポーツ推進委員や体育振興会が町内会や子供会等を対象としたスポーツ大会の開催やスポーツ指導など,健康,スポーツに関する事業を実施することにより,地域の活性化を図っております。
 また,大学の教員や学生,企業のトップアスリートなどによるスポーツ教室の開催や地域でスポーツ指導などを行っていただいていることにより,技術力の向上はもちろんのこと,市民同士の交流や新しい仲間づくりとしての場の提供に努めております。
 今後におきましても,大学,企業などとの協定という枠にとらわれず,地域の活性化など,幅広い観点から本市のスポーツ環境のさらなる充実を図ってまいります。