在宅医療とは、医師のほか、看護師、薬剤師や理学療法士等の医療関係者が、定期的に患者の自宅などを訪問し、具合が悪いときは365日×24時間対応、病院と連携し必要な時には受診や入院を手配、自宅での緩和ケア・自宅での看取り、医療情報の一元管理、介護サービスとの連携など、患者の住まいで総合的・計画的な医学管理・経過診療をすることです。

患者やご家族の負担や不安を軽減するために、医師や看護師、介護士などが身近にいると感じられるような安心感とサービスの提供が必要になります。

住み慣れた地域で安心して在宅医療を受けられる仕組みづくりをめざし、本市の現状はどのようになっているのか、今後についてはどのように進めていくのか、質問しました。(2016.12月議会一般質問)

 

質問ポイント

(1)在宅医療の実施医療機関数などの春日井市内の現状と、課題について

 市の回答

・本市では現在,24時間往診及び訪問看護の提供が可能な体制を整えている在宅療養支援診療所29カ所,病院2カ所で,おおむね市内全域に所在をしております。

・在宅医療の課題といたしましては,今後医療のニーズの高まる高齢者の増加が見込まれる中で,在宅医療を担う医療機関をさらにふやしていくことが最も重要と考えております。

 

(2)・保健・医療・福祉・行政など関係機関が相互に連携して、在宅医療を円滑に提供するための体制について、春日井市の担当課及び職員体制はどのようになっているか

・在宅医療を希望する方やご家族からのご相談に対して、相談窓口はどのようになっているか

・春日井市医師会と市との間で現状と課題はどのように共有されているか、また、在宅医療を担う医療機関を増やすためにどのような取り組みがなされているか

・医療と介護の連携はどのように図られているか

 市の回答

 在宅医療は地域包括ケアを実現する上で重要な要素で,本市においては,本年4月から地域福祉課に地域包括ケア推進室を設置し,対応を進めております。職員の体制につきましては,保健師及び医療ソーシャルワーカーの経験を有する社会福祉士など,職員6名を配置しております。
 また,在宅医療の相談窓口としましては,この地域包括ケア推進室と,市内10カ所ある地域包括支援センターが,春日井市医師会の設置する在宅医療サポートセンターと連携し,個々の相談に対応しているところでございます。
 重要課題であります在宅医療を担う医師の充実につきましては,市医師会も同様の認識のもと,在宅医療を手がける医師増加のため,在宅医療サポートセンターが訪問診療導入研修の実施やかかりつけ医の普及啓発などを行っており,市もこのサポートセンターと連携しながら,現状把握と課題及びその解決策の検討を行っております。
 医療と介護の円滑な連携につきましても,医療関係者と介護にかかわる専門家など多職種でのグループワーク等の研修を行い,顔の見える関係づくりを進めているところでございます。

 

(3)在宅移行について

・春日井市民病院における患者の在宅移行への支援内容や介護事業者との連携について

・また、市外にある医療機関に入院した市民が在宅移行する際の市内の在宅医療機関との退院調整などの連携体制について

 市の回答

・市民病院では,入院された方の退院後の生活を支援するため,退院支援計画書を作成し,本人や御家族へ説明するとともに,御要望に応じ,公的支援制度の案内や訪問看護ステーションなどの介護サービス事業者との橋渡しを行っております。なお,入院前に比べ,日常の動作が著しく低下したり,新たに医療処置を必要とするなど,これまでの生活様式を変える必要がある場合は,担当看護師が事前に訪宅し,退院後に必要となる支援の検討も行っております。
 また,在宅医療を担う訪問診療医や介護サービス事業者との情報共有のために,サービス担当者会議を開催しているほか,褥瘡など在宅医療で起こるケアに関する勉強会や研修会を定期的に開催し,在宅医療との連携に努めております。

・市外の医療機関に入院した場合においても,自宅等退院・療養へと円滑に移行できますよう,それぞれの医療機関が病院と病院,あるいは診療所,訪問看護ステーションなどと連携による広域的な退院調整機能の構築を進めております。

 

(4)住み慣れた場所で自分らしく生活・療養を続けるためには、患者さんやご家族が在宅医療についてよく理解したうえで選択することが基本となります。在宅医療に係る市民の皆さまへの分かりやすい情報提供について

市の回答

 市民への啓発につきましてですが,在宅医療に関するパンフレットを市広報にあわせて配布したところですが,今後も在宅医療や介護の理解を深める講演会の開催などを進めてまいります。
 また,在宅医療地域資源マップにつきましては,愛知県が運営します,あいち医療情報ネットや愛知県医師会の在宅医療対応医療機関検索システムで同様の情報が公開されておりますことから,この利用について周知してまいります。

 

(5)医療や介護関係者等が参画する、在宅医療介護連携推進会議の設置について

市の回答

 在宅医療介護連携推進会議の設置についてでございますが,本市では,在宅医療・介護連携の現状把握と課題の抽出,対応策についてなどの検討について,既に医療・介護関係者等が参画する地域ケア会議や,在宅医療サポートセンター実務担当者会議で進めているところでございます。
 今後もこうした会議を活用しながら,在宅医療と介護の連携に関する地域の課題を的確に把握し,具体的な事業の取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 

(参考)

社会保障審議会(医療部会) - 厚生労働省

社会保障審議会(介護保険部会) - 厚生労働省