そろそろ年末ですね。
世にも恐ろしい繁忙期モードが始まりつつあるせいか―、
最近は、適当な"たわ言”すら思いつきません
そんな時は―、
気分転換に《あつ森》のルーティンをこなしています。
海岸で手紙を拾ったり、
キノコを採ったり‥‥‥。
そんな事をしていると―
‥‥‥発見しました、ちょいネタの元を
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てな訳で―
最近の家電は、とにかく喋りますよね。
それどころか、スマート家電なんて代物は、こっちの指示だって聞いてくれます。
(だから"スマート”なんでしょうけど‥‥‥)
それで思い出したモノがあるんです。
それは80年代後半に出版されたある本の中に登場しました―
喋る剣です
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人間以外のキャラクターが言葉を話す作品は沢山あります。
擬人化された動物は定番ですが、無機物が喋るってなかなか珍しいですよね。
その"スマート・ソード”こそが、エクスカリバー・ジュニア(以下E・J)でございます。
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勿論、エクスカリバーと付いていていも、本家・アーサー王伝説の中にそんなモノは出てきません
(コチラは、お友達にオネダリして頂きました"朽ちた剣”でございます)
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E・Jは『ドラゴンファンタジーシリーズ』(二見書房)というゲームブックに登場した魔法の剣でございます。
※※
まずは、この《ゲームブック》というモノについてザックリご説明いたします。
簡単に申しますと―、
読者が主人公となって、自ら選択した"筋”を読み進む物語でございます。例えば―
25
森の中の道は二手に分かれている。右の道は鬱蒼(うっそう)と茂った木々のせいで先が見通せない。左の道の方からは、かすかに水音がする。近くに川があるのかもしれない。君は―
右の道へ行く 49へ
左の道へ行く 14へ
と、まぁこんな感じでございます。ここで書いている49とか14と言う数字は頁でなく"パラグラフ”というモノです。
各場面(=パラグラフ)毎に、これらの番号が振ってありまして、自分の選択によって指示されたパラグラフを読んでいくんです。ですので、頁をそのままめくって読んでも、お話はてんでバラバラでございます。
例に上げた文章であれば、その前に―
真っ直ぐ街へ向かう 36へ
脇へ逸れて森へ入ってみる 25へ
みたいな分岐があったのかもしれません。
皆さんがご存じのドラクエやFF等のRPG―。
それらのプログラムの役割を本が担っている、と言えば判りやすいかもしれません(モンスターとの戦闘はサイコロ振ったりします)。
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そんな感じで、剣と魔法の世界を冒険する物語のが、この『ドラゴンファンタジーシリーズ』でございまして―
主人公(読者)は、魔術師マーリンに召喚され"ピップという青年の身体に入った”という設定でございます。
第一巻『暗黒城の魔術師』では、マーリンがアーサー王からの恩給(手当)を止められない為に、弟子であるピップが悪の魔術師アンサロムを倒しに行くというストーリーでございます。
癇癪持ちでおっちょこちょいな魔術師として描かれているマーリン―。
彼は自らの収入の為に、アンサロムを倒して貰わねばなりません。
その為にピップに与えたのが、E・Jなんです。
※
この剣が喋るというトンデモ設定ですが、実に良く出来ているんです。
主人公が荒野なんかを旅をする場合、同行者でもいない限り会話は発生しません。
そうなると、どうしても文章が単調になってしまいます。
しかし、このシリーズは大丈夫なんです。
なんせ腰に下げているE・Jがペラペラ喋るんですから
ピップがその洞窟の入り口を探っていると、E・Jが口を出してきた。
「おいおい、そんなトコには入るのはやめとけって、絶対ヤバイ奴がいるから―」
嫌がるE・Jを無視して洞窟には入る 87へ
人間は陽の光の下にいる方が良い 102へ
ちなみにこのE・J君、武器としてはかなりの性能なのです(エクスカリバーの小型版ですからね)。しかし、苦手なモノも有りまして―
大嫌いなクモを相手にするとガタガタ震えて大幅に切れ味が落ちます(笑)。
※
こんなしゃべる剣を相棒にした、ピップの冒険は全8巻ございます(諸事情によってE・Jが登場しない巻もあります)。
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ユーモア(というか、かなりキツめのブラックジョーク)に満ちたこのシリーズは、《グレイルクエスト》を名を変えまして、現在も存在しているようです。
ゲームブックとしては、ちょっと異質な部類(笑)なのですが、そのアクの強い文章と(変更されていなければ)フーゴ・ハル氏によるグロくて愉快な挿絵が病みつきになります。
それにしても―
もしも、モンハンで武器がしゃべりだしたら―
『‥‥‥えっ、68匹目だけど―』
みたいな事になるのでしょうね。
(そういうゲームですからしょうがない)