(旧タイトル:『こんな時だヵら、世界を飲み歩く』

 

連日、ショッキングな数字が続いている新型コロナの話題。、経済が死なないためにも、飲食店等の営業は(可能な限り)続けていただきたいと思っております。でも、報道を見る限り、やっぱり飲み歩くのはまだ難しいのかなぁと思っております(本当に難しいところですよね)。

 

「世界ぐるっとほろ酔い紀行」

 

西川 治 著 新潮文庫  

 

 まえがきにのド頭に「スコール」・「スロンチュ」・「チアーズ」・「サルーテ」・「乾杯」・「ビバビバ」・「トルヤガー」‥‥という言葉が綴られています。これは、各国で、杯を上げる時のかけ声だそうです。カメラマンである著者が何十年にわたって、酒を飲み飲み世界を渡り歩いた記録が本書です(もう、なんなら気分だけでも、飲みに行こうってわけです)。

 世界の色んな場所に伝わるお酒を飲みながら、現地の肴を楽しむ。現地の方と一緒に、可能な限り現地の作法に乗っ取って。そんな著者の姿勢は、(同じ酒飲みとして)非常に格好良くて粋です。勿論、お酒の話ですから、格好悪い失敗談も多々出てきます。知らない土地で知らないお酒を飲むんですから、そりゃねぇ‥‥。

 

 著者はカメラマンとご紹介しましたが、他にも文筆家や画家の顔を持ち、さらには料理研究家としての著作も多数あるそうです。なので、出てくる料理の描写も実に読ませます。実に美味しそうとは書きません。世界各国のそれも少し昔のお話もあるので、正直「衛生的にどうなんだろう?」という物もあれば、もう「私には無理です」って物も出てきます。ベトナムで著者が食するピットロン(アヒルのふ化寸前の卵の料理)は、全くっもってノーサンキューです(笑)

 他にも、スウェーデンの稿で出てくるのが、取り扱い注意の缶詰・シュールストレミング。

 

 あの、世界一臭いってヤツ! 

 

 日本のバラエティー番組でもよく取り上げられる(←大概、罰ゲームですけどね)、パンパンに膨らんだあれ。でも著者は、アクアピットというかなり強いお酒で「スコール(乾杯)」し、臭いごと流し込んでいました。意外とイケたそうです。ちなみに、缶を開けただけで周囲が大騒ぎなのは日本と一緒みたいです(笑)。

 

 私も今、これを書きながら、チビリチビリとやっているので、そろそろお開きにしようと思います。そう言えば、私元々飲み歩くタイプじゃないんですよね(笑)。お酒もインドア派です(※)。

 

(※追記:このブログの旧タイトルが『インドア大陸』でした)