肩が後ろに回らない…そんな時のセルフケア

 

 

 

 

 

腕が後ろに回らない原因とセルフケアについてまとめてみました。

 

 

なぜ腕が後ろに回らなくなるの?

肩がうまく後ろに回せないのは、単なる筋肉の硬さだけじゃありません。

 

主に次の4つが関係しています。

1.関節包の硬化・癒着
肩関節を包む袋(関節包)が

炎症で分厚くなり、柔軟性を失うと、

腕を伸ばして内旋(手のひらを後ろに向ける動き)がスムーズにできなくなります。

 

2.ローテーターカフ筋群のアンバランス
肩の安定を担う回旋筋腱板のうち、

特に後ろ側の小円筋や棘下筋が短縮すると、

背面方向への可動域が制限されます。

 

3.肩甲骨の位置ズレ
猫背や前肩ぽい姿勢で肩甲骨が前に傾くと、

本来の後ろへの動きが妨げられます。

 

4.胸筋の過緊張
デスクワークなどで前側の胸筋がガチガチに固まると、

相対的に後ろへの動きが狭まってしまいます。

 

 

五十肩ってどんな状態?

いわゆる「五十肩」は、医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、

 

関節包の炎症→拘縮(固まり)が進んで、

可動域がガクッと落ちる状態。

 

 

大まかに3つのフェーズがあります。

  1. 炎症期(痛みが強く、動かすとズキッとくる)
  2. 拘縮期(痛みは少し落ち着くけど動かない)
  3. 回復期(徐々に動きが戻る)

 

このうち、

セルフケアで特にがんばりたいのは

「炎症期の痛みコントロール」と「拘縮期のストレッチ・運動」です。

 

 

フェーズ別セルフケア

 

炎症期(発症~数週間)

アイシング&安静
痛いときは氷嚢や冷たいタオルで15分ほど冷やし、

無理に大きく動かすのはNG。

 

 

拘縮期(数週間~数ヶ月)

やさしく伸ばすストレッチ

・壁に手をついてスライドアップする「壁はわせストレッチ」

・肘を90°に曲げたまま、背中側へゆっくり引く「肘背面回し」

 

アシスト運動
セラバンドやタオル、棒を使って、

痛みのない範囲で他動的に肩を動かすと可動域が少しずつ広がります。

 

温熱ケア
入浴時や蒸しタオルで肩を温めると血流が良くなり、

筋肉もほぐれやすくなります。

 

 

回復期(数ヶ月~1年)

筋力アップトレーニング
肩の外旋・内旋運動や

肩甲骨を引き寄せる動きを取り入れ、

少しずつ負荷を増やしましょう。

 

・日常動作の練習
洋服の着脱や背中に手を回す動作を繰り返し、

生活の中で動きを取り戻していきます。

 

 

 

 

注意点

痛みが増す、可動域が全く改善しない

早めに整形外科へ受診を。

 

無理なストレッチや強揉みマッサージ

逆効果になります。

 

 

セルフケアはり無理せず、

痛みと相談しながら進めるのが一番。

 

 

ぜひ試してみてくださいね!