ブランディングと引き算の戦略 | 須藤峻のブログ

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すどうしゅんによる、心の探究日誌。
生きることは不思議に満ちてる。自由に、自在に生きるための処方箋。

健康の基本は、「やめること」です。

身体は、ちゃんと睡眠を取り、休息し、適度に運動し、良いモノを食べてれば、
自動的に、健康であるように、設計されています。

しかし、眠らない、休まない、運動しない、悪い物を食べる・・・等の、
不健康な習慣があると、体調が崩れたり、「病気」という状態になる。

「不要な習慣」を取り去ってやれば、自動的に最高のパフォーマンスが
出せる状態になる。即ち、必要なのは、「ブレーキ」を解除することなんです。

心についても、同じです。
その人が無意識に持っている、
思考の習慣や、思い込みに気付かせ、それを解除すれば、
心が自発的に、調和的でご機嫌な心理状態へと変わっていきます。

さて、この考え方は、企業のブランディングにおいても、まったく共通しています。
僕は、ブランディングの基本は次の2つのコトだと思っています。

ひとつは、哲学の明確化。
その企業やサービスが、目指すモノ。
すなわち、いかなる社会を是とし、いかなる方法でそこに貢献するのか、
その根本的な「価値」を定義する。
徹底的に掘り下げて、揺るぎない価値観として据える。

もうひとつは、一貫させること。
その哲学を実現するために、一切の妥協をぜずに、
徹底的に、自分たちの信じたことを、貫くこと。
商品設計、広告、顧客接点における活動、CSR、そして、社内制度設計まで、
自分たちの価値観、謳う「正義」に沿ったモノとして設計する。

ブランディングがうまくいかないケースは、
ほとんどの場合、「ブレーキ」が問題となっているように思います。

どこかに、
「これで本当に、良いのか?」
「市場のニーズに合わせた方が良いのでは?」
「他社は、こんなことをしている・・・追いつかなくては」

そんな、「恐れ」があると、妥協が生まれます。
そして、不必要な活動をはじめてしまう・・・
哲学に反する展開、一貫性の欠如した展開・・・
そこで、ブランディングがつまづいてしまうんです。

故に、必要なのは、そんなブレーキの解除です。
恐怖を取り去ること。
不要な活動をやめれば、そのブランドの持つ、その商品やサービスの
最良の部分を展開していくコトができる。

ブランディングの基本は、
何かをすること・・・ではなく、不要なことをやめることに尽きる。

この「引き算の戦略」は、
ほぼ、全ての活動において、「足し算の戦略」に勝ると思います。

それは、個人のブランディング(という表現は、好きじゃないんですけど)でも同じ。
何をするか・・・ではなく、何をしないのか。
まず、そこから、スタートする。

・・・うむ、スタートしよう。