前回、「ネガティブな感情」について、
こんな風に書きました。
心は、たくさんの感情が入った袋の様なモノ。
袋の中にネガティブな感情があると、心はそれを排出する仕組みを持っている。
感情の排出は、「その感情を、しっかりと感じること」で実現される。
だから、ネガティブな感情を感じたら、それは解消するチャンスということ。
時に嫌な感情もしっかり感じ、そんな感情を持つ自分を許していこう。
・・さて、この話は
「ネガティブな気持ち」を持ってしまったら、それを流していきましょ~
ストレスは、都度、解消していきましょう!
と読めるけれど、実は、それだけではありません。
もう少し、深い意味があるんです。
今度は、心を「ダム」だと思ってください。
水位が高まると、ダムは放水して、水位を正常範囲まで下げますよね?
この「ダムの水位」が、感情のレベルです。
感情が高まると、心がそのエネルギーを外に放出する
・・・というイメージです。
さて、「心のダム」においては、放水の目的は「水位を下げるため」
だけではないのです。
その真の目的は、「ダムの深い場所にある、不要なモノを排出すること」。
ダムの底には、様々なモノが沈んでいます
・・・時に、ダムの水の清らかさを奪ってしまうモノも・・・
この深い場所にある不要物とは、
「過去のトラウマ」とか、「抑圧された感情」、
すなわち、「スッキリできていない自分の過去、経験、記憶」のことです。
この深い場所にたまっている不要物を排出するためには、
ちょろちょろと水を流していても、ダメです。
思いっきり貯めて、一気に放水する必要があるんです。
実は、「ネガティブな感情を感じる」という体験は、
心が、これらの深い場所の不要物(過去のトラウマ)を、排出するために
「水を溜めて、一気に水を流す」というプログラムを
発動したというサインなんです。
心は、「深い場所の浄化」の準備ができたな・・・と判断すると、
感情の水位を上げ、決壊させる、浄化のプロセスを開始します。
このプロセスに必要な、「感情の水位の上昇」は、
時に、「ネガティブな体験」によって、もたらされます。
(もちろん、”ポジティブな体験”によってもたらされるコトもありますが、
今回は、「ネガティブな体験」の意味にフォーカスします)
即ち、
心は、深い場所にある「過去」の浄化をするために、
ネガティブな現実を作り、水位を上げて決壊を起こし、
流していくということなんです。
だから、
感情の解放は、「その瞬間のストレス解消」ではなく、
「自分の深い場所の浄化」なんですね。
それを本人が自覚できていなくても、
子供の頃の経験や、しまわれてしまった旧い記憶、
納得できていない過去の出来事が、連なって、解消されていきます。
「ネガティブな体験」をしたり、「ネガティブな感情」を感じることは、
「心が、深い場所にある不要物」を浄化するためのプロセスであり、
自らを過去から解き放ち、新たな自分へとシフトしていくための契機なのです。
哀しみも、苛立も、不安も、柔らかで軽やかな明日へと
必ずつながっていきます。
自分の心が開始したプロセスを信頼し、その流れに乗っていきましょう。
全ては、必要な時に、必要な形で、起こります。
その時に見えなくても、わからなくても、
きっと辿り着いた場所から今を振り返ると、その体験の意味は、わかる。
だから、焦らず、今、自分がしている体験にフォーカスし、
それを存分に味わうことです。
存分に味わうこと、「今・ここ」にフォーカスすること、
目の前の現実を、徹底的に味わうこと。
それだけが、次のステージへの扉を開いてくれるのです。