先日、とても面白い体験をしました。
あるプロジェクトを進めていくにあたって
共同で進めているメンバーから意見をもらったのです。
それは、「僕の進め方は、問題がある」というものでした。
その意見に対して、僕は、自分の見解を伝えました。
「今の進め方を僕が採用している理由はね・・・」
話し出すと、どんどん言葉が溢れてきます。
びっくりするほど、スムーズに、驚くほど理路整然と。
僕が話し終わると、メンバーも、納得してくれ、
さらに、僕らは、ずっと深い部分にあったプロジェクトの本質的な目的に
辿り着くことができました。
僕は、実は、とーっても、驚いていました。
なぜなら、自分が考えていたコトを、その瞬間はじめて理解したからです。
確かに、僕の口から流れ出した「理由」は
僕が、普段採用している考え方だし、僕の良く知っているコト
をベースにしていました。
しかし、自分が、そんな深い理解の上で、
プロジェクトを進めていたなんて、全く知りませんでした。
僕は、それを、無意識にやっていたんです。
実は、僕は「その進め方を採用する理由」も「戦略的な議事進行」も一切意識せず
会議の現場に立って、「感じるまま」に直感的に進めていただけ・・・
その空間の動勢に、自分が自動的に振るまいを決するに任せていただけです。
この話は、なんだかもっとやった方がいいなー
急に、このエピソードが浮かんできたから、話しとこー・・・・等々
そこで、気付きました。
僕は、これまで、彼に伝えた様なコト・・・自分の行動の理由や意図
すなわち「なぜ、やるのか」「何のために、やるのか」「どのように、やるのか」を、
自問自答の中で、明確にした上で、行動をしてきたことに。
そして、もし意識的に進めていたら・・・という状況シュミレーションを行い
詳細に検分した結果、僕が、それを意識化して進めていても、無意識に進めていても
プロジェクトが辿り着いた場所は、全く同じだっただろう・・・
ということが見えてきました。
わかってきたのは、僕のアプローチの変化が、
僕の中の大きな変化の、ひとつの「現れ」だということです。
一足早く変わっていた、僕のカウンセリングスタイルは、
それを良く表しています。
ある時期まで、僕は、とても分析的なスタイルでした。
相手の中にあるテーマを見つけ出し、それを指摘する、または気がつかせる・・・
あくまで、僕はその場の主導権を握り、その場で起こることを詳細に理解し
プラン通りにセッションをゴールさせる。
しかし、そこから、僕のスタイルは大きく変わりつつあります。
その場に無心で立ち会い、その場の感覚や瞬間の直感でその場に関わる。
そして、自分と相手の二人で、想定外のゴールに到着する。
今になってわかりますけど
僕は、いつも、自分の行動を事前に明確化しないと、動けなかったんです。
それは、
・自分を信頼していなかったから
です。
自分が、その場に「応答」するコトで、適切なパフォーマンスを発揮するだろう・・・
ということを、信頼できなかった。
だから、様々な可能性を想定し、反論された場合の意見を用意し
現場では、どうやって「あらかじめ用意した落としどころ」に議論を導くかを意識して
会話を組み立てていく・・・
この話に、ここのところ僕のテーマになっていた
「支配」と「支援」についての思考を、重ねると、さらに見えてきました。
→参考(応援すること)
僕は、目の前の空間を「支配(コントロール)」しようとしていた。
支配しないと、不安だったわけです。
「支援」とは、「その場で起こることを、そのまま受け入れること」
なんですね。
それは、相手が「人」でも「出来事」でも同じ。
そして、それは「自分が引き起こすこと」を、受け入れることを意味します。
自分がその場での感覚や、状況を受けて、反応した結果を、引き受けるコト。
それは、その場に、最も必要だったコトです。
そこに、あらかじめの「目的」や「ゴール」や「意図」は不要です。
今回の件を通じて、改めて自分の向かっている方向が見えてきた気がします。
それは、「自分の行動や行為を、出来るだけ意識化しない」というコトです。
それは、「意識的に生きない」とも言えます。
どうして、自分がそのように行動するのかわからないまま、生きる。
予想しない。意図しない。意識しない。
自分の人生を支配(=コントロール)するのを辞めるということですね。
思えば、この10年くらい、ひたすら「意識化」というコトをテーマにしてきました。
・自分の感情の動きを意識化する
・自分の行動から、信念を見つけ出す
・自分をコントロールしている観念を解放する とかとか・・・
特に、ここ数年、寝てる時以外は、そのコトだけ考えているくらいに、やってきました。
愉しかったな~、ホントに学び多き、面白い日々でした。
毎日新しい発見があって、毎日が新鮮で、自分の変化の速度に驚いてきました。
でも、そろそろ、シフトの時期かもしれません。
しばらく、自分とセカイの変化を味わってみようと思います。