日本と季節が真逆のニュージーランドでは9月が春の始まりです。

 

今はまだ気候が変わりやすく、寒くなったり暑くなったり、体調に気を付けなければいけません。

でも、気候が落ち着けば、暑すぎず、寒すぎず、春はとてもいい季節です。

 

さて、日本にいた頃、私はかなり花粉症に悩まされました。

目がかゆくて、コンタクトレンズが使えなかったり。

鼻をかみ過ぎて、鼻の周りの皮がむけ、すごく痛かったり。

学校や仕事を休まなくてはならないほどひどいことも。

 

そんなこんなで、春は大っ嫌いでした。

綺麗な桜の写真を見ても、「桜=春=花粉症=苦しみ」という連想ゲームが頭の中で勝手に始まり、素直に「綺麗だなぁ」とは思えませんでした。

 

ワーキングホリデーで初めてニュージーランドに来た時、花粉症の薬もちゃんと持ってきました。

毎日飲む薬、症状がひどい時に飲む頓服薬、目薬、点鼻薬。

量が多く、入国審査に引っかからないか心配だったため、英語の処方箋をかかりつけのお医者さんに出してもらいました。

 

ところが…

春になっても、一切発症なし。

 

せっかく日本から持ってきた薬も一切使わずに、日本に帰国時、そのままお持ち帰り。

 

花粉症に苦しまなくて済む。

それだけで、ニュージーランドが天国のような場所に思え、大好きになりました。

 

数年後、大学に通うためニュージーランドに戻りましたが、在学中も花粉症に悩まされることはなく、「春も悪くないじゃん」と思い始めるように。

 

4年前。大学卒業間近の2017年10月。

大学の研究室でいつものように作業をしていたら。

 

突然、なんの前触れもなく。

鼻水が洪水のように出てくる。

発作のように、くしゃみが止まらない。

目がかゆい。というか顔全体がかゆい。

 

作業なんて続けられる状態ではなく、担当の先生に連絡をし、家に帰る。

 

翌日、まだムズムズするも、症状が少し和らいだので、研究室に帰還。

同じ研究室に属しているクラスメイト(40代後半ぐらいのおばちゃん)に、「花粉症が再発したかも~」と愚痴る。

「薬、飲んだ?」と聞かれたので、「持ってないから、後で買いに行かなきゃ」と答える。

 

昨日やれなかった分を取り戻すため、昼ご飯を食べずに作業をし続ける。

昼ご飯から帰ってきたクラスメイトがそんな私に渡してくれたのは…

そう、花粉症の薬。

キャンパス内の薬局で買ってきてくれたようだ。

「いくらだった?」と聞くと「いいの、いいの!花粉症は辛いもんね、薬飲んで良くなるといいね」と。

優しすぎる!

(後で値段見たら、1800円ぐらいのお薬でした。)

 

その薬を飲んだら、症状はほぼなくなりました。

薬が効いて嬉しかった半面、花粉症が再発したことに気持ちが沈む。

そんな2017年の春。

 

それから毎年、春になると花粉症に悩まされます。

市販の薬で症状が落ち着くぐらいなので、日本にいた頃ほどひどくはないけれど。

 

日本を離れれば逃げ切れると思ったのになぁ。

花粉症とは一生のお付き合いになりそうです。