ニュージーランド人の彼と私が日本に一時帰国した2018年の冬。

 

彼が新しいヘッドホンを買いたいということで、地元のケーズデンキへ。

 

年末のせいか、お客さんの数はだいぶ少なくて。

そんなに混んでないし、来たついでに他のものも見ようか、と二人で店内をウロウロ。

 

ちょっとトイレに行ってくるね、と私は彼を離れてトイレへ。

店はそこそこ広いけど、お客さん少ないし、彼は背が高いし、離れ離れになることはないだろうと思っていたのだけれど。

 

トイレから出て、店内をフラフラ歩きながら彼を探しだす。

ただ…

彼の姿が一切見当たらない!

”あいつ、どこに行った?!?!”と困惑し始める私。

 

そこへ、「なにかお探しですか~?」と笑顔で寄ってきた店員さん。

私の困惑を察知したのだろうか。

「トイレに行ってる間に、連れがどっかに行っちゃって」と私。

あぁ、恥ずかしい。

 

商品を探しているわけじゃないから、ほっといてくれるかな、と思ったら。

「一緒に探しますよ!」と店員さん。

彼が消えたことに対する困惑は、店員さんの意外な反応への困惑へとすりかわる。

そんな私の表情は気にせず、「お連れ様、どんな方ですか?」と超乗り気な店員さん。

 

暇なのかな?

でも、優しい。

 

「あ~、背が高くて、黒のニット帽をかぶってます」と、なぜか彼が外国人であることを伏せる私。

「わかりました!じゃぁ、あっち見てきますね!」と意気揚々と去っていく店員さん。

私は店員さんとは逆方向へ。

 

数分もしないうちに「お客様~?」とさっきの店員さんが追いかけてきて。

少し困惑した表情で「あの、お連れ様って……日本人ですか?」と。

 

あ、見つけてくれたんだ。

 

「あ、いや、日本人じゃないです。」と言う私の返答を聞き、表情が和らぐ店員さん。

「あ、そうですか!マッサージチェアのコーナーにいましたよ!」と言い、丁寧に彼の元までご案内。

 

確かに、マッサージチェアに気持ちよさそうに座っている彼を発見。

そりゃー、見つけられなかったわけだ。

 

店員さんにお礼を言うと、笑顔で去っていかれました。

 

優しかった店員さん。

「日本人じゃないなら、最初からそう言ってくれればいいのに」と内心思ったりしたのかな。

一番の手がかりをまるで隠してたみたいだよね。

 

まぁ、彼が外国人であることをなぜ言わなかったのか、私もいまだに分かりません。

 

ちなみに、ヘッドホンはちゃんとそのケーズデンキで買いました。