暗渠は土木工事によって施工する。
トラクターが大型化されたり、水田にすると作土層の下に硬盤が形成されて暗渠排水ができない。水田のままならいいが、転作だと障害となる。
その硬盤は、機械的な作業で破砕することはできるらしい。サブソイラーとか使って。
しかし、28馬力程度でかなり固い硬盤を破砕するには役不足だ。
そこで植物の力を借りる。種苗メーカーでえん麦等の品種で、硬盤破砕をうたっているものを選んで作付ければ、たいていうまくいくと思われる。根が硬盤を貫通するのだ。しかも根っこだから無数に貫通する。これを根耕という。
以下の写真は用水路から注水した結果の暗渠排水だ。もちろん雨が多いと暗渠排水する。
この量は潅水によるものだ。
硬盤破砕をうたったエンバクを作つけた後の雨だと、8ミリ程度の雨量でもちょろちょろと排水していた(開始年度の話)。逆に言えば、保水力に疑問が出る。
同じく硬盤破砕をうたっていたライムギを作つけたこともあるが、効果は分からなかった。ただ、アスバラガスの両脇に作つけたとき、倒伏防止になったことがあった。本当に機能しているか、ためしに両脇のライ麦を踏み倒してみたら、見事にアスパラが倒伏した。
アスパラの倒伏、本当に困ったものだ。あるところでは鉄筋を加工して支柱を立てて押さえているところもあるらしいが、アスパラの下部周辺は深く耕すことはないから結構固め、安っぽい支柱だと刺さりにくいし。
水田後の排水不良は暗渠があるおかげで硬盤破砕の燕麦によって解決し、そのえん麦を次の年にすきこみ、数年後には少量の雨でも暗渠排水しなくなった。
えん麦だが、カネコ種苗の「ハルアオバ」だったか、これは数年で廃盤になって名前を変えて出ていた。バイタルオーツだったか、その後なんていう名前か忘れたが、そのえん麦は背丈が短く、90センチが標準で、茎が太く根が90センチ程度とか。
乾物量は結構多い話だった。忘れてしまったが、確か反2トンとか、1.7トンだったか、乾物量だった。
青いまますき込んだこともあったが、青物を土にすき込みのはあまり感心しないところがある。すき込みは、作付の次の年だと雪でぺたりと平らになって乾いているから、すんなりすき込める。