昨日ニュースで見ましたが堂本剛が4日に退院したそうです。
やはり1週間の入院でしたので、中〜高度難聴だったのでしょう。


ニュースを見ると、

6月20日 違和感を感じ、突発性難聴と診断される。
6月27日 入院
7月4日 退院

ですので、治療のプライムタイムである2週間はもう過ぎていますが、今後は通院治療をするようです。
仕事の関係でどうしても1週間入院できなかったのであればもしかしたらもっと悪いのかもしれないし、はじめの1週間様子見したのであれば軽〜中度難聴なのかもしれません。

実際のところの症状はわかりませんが、いち早く回復することをお祈りいたします。
昔の番組ですが、正直しんどいや堂本兄弟はけっこう好きで見てました。芸能活動にも早く復帰できるといいですね。

※剛くんがラジオで自身の初期症状について語った記事はこちらにアップしています。

 

堂本剛が突発性難聴になったニュースのせいか、このブログにもここ数日かなり多くの人が突発性難聴の記事を見にきています。



{531AB605-C614-4F43-AA8B-659810AA3E40}


最もアクセスが多いのは、堂本剛のことを書いた記事ではなくこちらの記事です。

これをきっかけに……と言っては大変失礼になってしまうのですが、突発性難聴という病気と治療法について、多くの人が知ってもらえたらいいのですが。



突発性難聴という病気を芸能人がかかると、突然耳が聴こえなくなる病気だというのは広く知られるのですが、誰にでもなる可能性がある病気だということ、すぐに治療をしなければならないということや、回復する可能性が高い期間が2週間しかないということはなかなか浸透しない気がします。

しかし、今回の報道では、わりとこの点も記載されているニュースサイトが多かったので、もしかしたら以前より浸透したのかな?とは思います。




が、




どのニュースサイトでも扱っていないのが、突発性難聴を患った人が、治癒(完治)しなかった場合どんな症状(後遺症)が残るのかという点です。

突発性難聴は、1/3が治癒、1/3が回復、1/3が治らないと言われている病気です。
これは治療をどれだけ早く始めたか、どんな治療をしたかにもよりますし、何より個人の持つ回復力による差が大きいと思います。


また、中度以上の突発性難聴を患った人の多くは、後遺症として耳鳴りが残ります
人により低音だったり高音だったりと音域は違いますが、基本的にはず〜っと鳴っています。鳴り止むことはほとんどありません。
よく例として言われるのが、蝉の鳴き声や冷蔵庫の音などです。

自分も超重度の突発性難聴を患ったので、軽度難聴まで回復した現在も、高音のチューーーンという音が一定の状況下(水の音やロードノイズが聴こえているとき)以外ではず〜っと鳴っています。これがけっこうキツいんです。


後遺症の耳鳴りと下がってしまった聴力は、生活をする上でいろいろ不便だったり、想定しないことが起きたりします。
以下に、自分が実際に突発性難聴にかかってから思った、周りに気を使ってほしいと思ったことを挙げてみました。
ずっととは言いません。でも、せめて3ヶ月くらいは以下のことに気をつけて接してあげてほしいです(症状によっては、もっと長い期間気を使ってほしいですね)。





【気を使ってほしいこと①】
耳鳴りはすごくストレス


この耳鳴りというのがまた、気づかぬうちに精神に多大なストレスをもたらします
年がら年中、耳元で蝉が鳴いてたら迷惑ですよね? 後遺症が残っている人は、ずっとそんな状況下にいるのです。
なので、ちょっとしたことでイライラしたり、怒りっぽくなってしまうことがあります
もし、そういう状況になっていたら、売り言葉に買い言葉ではなく、一歩引いて冷静に見てあげてください。
そんなの大袈裟じゃない? と思う人がいたら、ぜひこの夏は虫かごをヘッドホンのように装着して、中に蝉を入れて過ごしてみてください。どれだけ大きなストレスになるかわかってもらえるでしょう。

ストレスという点では、聴こえないというのも物凄くストレスになります。少し気を使ってあげてください。

※耳鳴りも現代医療では治すことができない病気です。
現在ネラメキサンという新薬が治験段階に入っていますが、どこまで効くのか、いつ発売されるかはわかりません。






【気を使ってほしいこと②】
大きな声で話さない

聴こえが悪いというと大きな声で話しかけようとする人がいますが、突発性難聴の場合これは間違いです!
それは老人性難聴(歳をとって耳が聴こえにくくなった)の場合です。
むしろ大きすぎる声だと頭に響いて不快です。

突発性難聴になったという話をすると、両耳が聴こえなくなったと思う人がいますが、基本的には片耳は正常に聴こえています。

ですから、聴こえるほうの耳側に立って話をしてあげてください
並んで歩いたりカウンターへ座るときは、聴こえるほうの耳側にいてください。
正直、これは言わなくても気を使ってもらいたいです。

症状が重い場合は、悪いほうの耳側から話しかけると、本当に聴こえないことがあります。
シカトしているわけではないので、誤解のないように!






【気を使ってほしいこと③】
何度も聞き直されても気を悪くしない

自分は幸運なことに超重度の聾状態から、軽度難聴まで回復したのですが、それでも良耳(正常な側)と比べれば聴こえる大きさは1/3〜1/5程度。
さらに声の低い男性の声は聴き取りづらいです。

そのため、良耳側以外の場所から話しかけられたり、小さな声で喋られた場合は何度も聞き直してしまうことがあります
これはその音域が聞き取りづらいので仕方がありません。

②と内容がかぶるところもありますが、聴こえるほうの耳側から、適切な音量で話しかけて欲しいです。
耳鳴りが鳴っているために聴こえづらいということもあります。
なので、何度も繰り返し聞き直されたとしても、気を悪くしないでください。





【気を使ってほしいこと④】
同時にいっぺんに話さない

大人数でいるときは、みんないっぺんに話してしまうと、誰が何を言っていたのかわかりません。
もちろん聴こうと必死になっていますが、半分の能力しかない状態の耳では、聞くことに頭が追いつきません
ですから、複数人のときは、順番に話してくれたら嬉しいでしょう。
これに関しては自分はもうほぼ平気ですが、中度難聴くらいの人は気になると思います。






【気を使ってほしいこと⑤】
うるさい場所へは行きたくない

路上の雑踏くらいであれば、逆に耳鳴りが打ち消されていいと思いましたが、屋内でうるさい場所は本当にキツイです
(※もちろん、聴こえ方によっては屋外でもうるさいのはダメという人もいると思います)

安い居酒屋など、うるさい学生や社会人がいる場所では、音が響きすぎて気持ち悪くなってきます。
音が響くような作りのお店もダメですね。
左右の耳から聴こえる大きさが違うので、うるさい聴きたくない音はストレスになり耳鳴りも大きくなってしまいますし、そもそも、そういうところでは周りの音がうるさすぎて同行者の声が聴こえません。
これは自分も今でもそうですね。なので入ったお店がそんな場所だった場合、数品頼んですぐにお店を出てしまいます。
突発性難聴の後遺症がある人と出かける時には、お店選びは注意してあげてください。





自分は発症時超重度(聾状態)で、次第に回復する過程で短期間ではありますが、高度難聴、中度難聴の状態も体験しています。そんな時に思ったことや、病院を退院してから不便に思ったことなどざっと思い浮かんだことを書いてみましたが、きっと突発性難聴になったことの無い人は読んでもピンと来ないですよね。
というかこんな長い文章を読んでくれる人がどれだけいるのか……。


もしかしたら、は? なに甘えたこと言ってるの? と思った人もいるかもしれません。
そこがこの病気が理解されない悲しいところで……。決して誰かに甘えようとしてこんなことを書いたわけではありません。

突発性難聴は聴こえが悪くなるだけでなく、こういう後遺症も含めた辛い病気なのです。

目が見えない状況、というのは目を瞑れば擬似的に体験できるので容易にわかりますが、耳が聴こえないという状況は耳を閉じるわけにもいかないので、健常者には全く想像できないのです。
だから、後遺症がどれだけ辛く苦しいのかわからないと思います(まぁどんな病気でも辛いのは一緒ですが)。

さらに、他人からは見た目でわからないので、突発性難聴であるということをすぐに忘れさせてしまうようです。
すなわち、上記にあげたような後遺症に苦しんでいるという事も忘れられてしまうのです(そもそもこんなに辛い後遺症があるということを知らないのでしょうが)。

突発性難聴の後遺症の辛さがわかるのは、同じく突発性難聴の後遺症の辛さを体験した人だけなのです。



とはいえ中には、人にそんな気を使ってもらいたくないよ、という強い心を持った患者の方もいるかもしれません。
そういう人にとってはただのお節介になってしまうでしょうが、この記事では健常者の方に、突発性難聴の患者はこんな後遺症や苦しみがあるということを知ってもらいたかったのです。

特に発症直後や退院直後は、耳が聴こえなくなったことに対して戸惑い、不安になることが多いと思います。基本的に楽観的な自分でも、退院後は不安になることがありました。
他人にはなかなか理解されない病気ですから、家族の理解と協力がとても大切です。

もしも家族や仲の良い友達、会社の同僚が突発性難聴になってしまって完治しなかったら、こういった後遺症があるということを覚えておいてもらえたら嬉しいです。
突発性難聴の詳しい症状や治療法については、こちらの記事もあわせて読んでもらえたらと思います。



よくあるテレビの医療系バラエティや再現ドラマで事象や病気を紹介する番組で、突発性難聴について発症〜治療〜後遺症の紹介をしてくれたら良いんですけどね。
自分がここで記事を書いても数人〜数十人レベルの人が気にしてくれるだけですが、テレビでやったら一発で大勢の人に浸透するのになぁ。