映画 シラート | リズム、暴風音、落下音、爆発! | 気むずかしい いろいろ

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映画「Sirat」ポスター、砂漠と人物

前情報は「娘」「探す」「砂漠」この3つだけ。

 

たしかに衝撃体験だった。

ずっとずっとなんの事件も起きず、どんな着地になるのか

ちっとも分らず、なにが評価されているのかも分からず、

えっ???って思っていたところ、

急に、惨劇がやってくる。

 

そしてこの監督は、

どんな着想で、この映画を作ったのか最後まで想像がおいつかなかった。

 

マクロでみても、ミクロでみても、

監督の視点がさっぱり分からず、それでいて意味があるようで、ないような。

 

 

砂漠で娘を探す人々

あの衝撃は、どんな意味があったのだろうか。

もしかして、監督は生や死にはあまり意味をもたせてなくて、

「音」がもたらす効果を試したんじゃないだろうか。

 

レイヴパーティーで流れる重低音。

車が崖に落ち、岩にぶつかり、どれぐらいの深さまで落ちたかを想像させる音。

暴風にさらされる音。

音楽の重低音に重なる爆発音。

電車に揺られる音。

 

 

砂漠を旅する家族、娘を探す旅

映像イメージより、音が鳴る場面のイメージの組み合わせでできた映画なのかもしれないな。

だから、今まで見たことのない不思議な映画になったんじゃないかなと思う。

パンフレットを買ってよんでみても、出発点が分からなかったから、

きっと監督自身も、説明しにくい発想だったんじゃないかと思う。

 

ただパンフレットを読むまでもなく、

監督がレイヴ文化やそれに関わる人たちを心から愛し、リスペクトしているのが伝わる。

 

レイヴパーティーを追いかけるEU人の5人のうち2人は本物のレイヴ関係者だし、

ほか3人は映画には無関係な素人を採用している。

身体を欠損している2名は、彼らのカラダそのままなのだそう。

 

資本主義的なシステムから抜け出し、心を開放して生きる人たち。

見た目はちょっとイカツイけれど、彼らは旅中、声をあらげたり争ったり、

ののしりあったりを一切せず平和的に過ごす優しい人。

ま、みるからにドロップアウト系なのだが、

大多数からアウトしたとしても、生き方はアウトではない。

ムリをせずに生きることを決めた人たちなのだ。

 

だから余計に、ラストが衝撃。

 

変な映画だったけど、おもしろかった。

 

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@なんばパークスシネマ

2025年・スペイン、フランス

監督:オリベル・ラシェ

脚本:サンティアゴ・フィジョール、オリベル・ラシェ

出演:セルジ・ロペス、ブルーノ・ヌニェス・アルホナ、リチャード・ベラミー、ステファニア・ガッダ、ジョシュア・リアム・ヘンダーソン、トニン・ジャンビエ、ジェイド・オウキド

製作:ドミンゴ・コラル、オリベル・ラシェ、シャビ・フォント、ペドロ・アルモドバル、アグスティン・アルモドバル、エステル・ガルシア、オリオル・マヨ、マニ・モルタザヴィ、アンドレア・ケラル

配給 / 制作:トランスフォーマー

 

あらすじ(400文字以内):

砂漠で行われた野外レイブパーティーに参加したまま失踪した娘を探すため、父親のルイスと息子のエステバンはモロッコの山岳地帯から砂漠の奥深くへと車を走らせる。現実と幻覚が混濁する混沌とした空間の中で、行方不明の家族を追う姿を描く。

 

▼豆知識

砂漠のレイヴパーティー会場跡地

スペインとモロッコを結ぶ海峡は、ジブラルタル海峡。
いちばん狭い所で14kmしかないのに、橋はわたってない。

 

水深が深すぎるのと、地震多発地域で、船の往来もはげしいからだそう。

渡るには、フェリーか飛行機しかない。

EUから大型トラックでフェリーを渡った彼らは、
そこそこにお金がある人たちと考えられる。

 

西サハラは、非自治地域。モロッコが領土拡大しようと支配をしているが、独立派と対立していまだ決着していない。

スペインにながく支配されていた地域。

サハラ砂漠には、全長 約2700kmの砂の壁がある。
モロッコ派と独立派を隔てる壁。その区域には地雷が埋められている。

 

シラートでは、モロッコからモータリアに向かう道中という表現にとどめ、

場所を特定していないが、EU人が良く知らず、危険地帯に足を踏み入れたという設定なんだろうと思う。

監督はそのへんの自戒も込めて描いたのかも。