映画 ウィキッド ふたりの魔女 | わたしの経験上、自己中女はカンタンに改心できない | 気むずかしい いろいろ

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ウィキッド ふたりの魔女 ポスター

前半は、おもしろかった。

 

主演のふたりは声もよく、歌もうまい。
ディズニー的な大袈裟なフリもキレがあって、見せ方としては成立している。

 

魔法の王国のデザインも、衣装も、
“女子ウケ”を狙い撃ちしたカラーリングで、さすがだと思った——が。

 

……キライだわ、この物語。

 

アリアナ・グランデ演じるグリンダが、性格悪すぎて逆に清々しい。
チヤホヤされたい、常に1番でいたい、気に入らなければ相手を平気で踏みつける。
周囲にはカースト最下層を配置して、アゴで使う。

 

そんな人間が、たった一つの恩で“改心”する?

急に良い子になる? ならんよね。

 

人が変わる時って、「あれ?」と胸を刺すような良心の芽生えを
何度も何度も積み重ねて、試行錯誤しながら性格を組み替えていくもの。
そのグラデーションがまるでないまま、いきなりオセロの白黒変換みたいに善人になる。

そこって一番大事な部分じゃないの?

 

散々、悪意をまき散らしておいて、「ごめん!」の一言で帳消し?
やられた側の傷は、そんなに軽くない。

 

なのに劇中では「ごめん!」「いーよ、許す」ってさ、……吉本新喜劇か!

こういうところが、ディズニーの嫌いな理由なんだよね。


国王が“共通の敵”を作って民衆をまとめる構図を描いて、

組織や、政治のありかたを表面的に説教しているわりに、
個人の倫理観はガバガバ。

 

ルッキズムはOK、人気者は自分の人気のために他人を踏みにじり、傷つけても
ちょっと反省した顔をすれば許される。
人の気持ちは“簡単に操れるもの”として描かれている。

 

もし私がエルファバの母なら、こう言う。
「グリンダと仲良くするなら気をつけなさい。あの子は芯がない。
その場の空気でいくらでも寝返る子だから、信用しすぎないで」

 

テーマ設定が、浅すぎで雑!

 

やっぱりディズニー映画は好好きになれん。

 

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2024年・アメリカ合衆国
監督: ジョン・M・チュウ
脚本: ウィニー・ホルツマン、ダナ・フォックス
音楽: ジョン・パウエル、スティーヴン・シュワルツ
出演: シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、ジョナサン・ベイリー、イーサン・スレーター、ボーウェン・ヤン、ピーター・ディンクレイジ、ミシェル・ヨー、ジェフ・ゴールドブラム
配給: ユニバーサル・ピクチャーズ

あらすじ: 緑の肌を持って生まれた若き女性エルファバと、おっとりと人気者のグリンダが名門大学「シズ」で出会う。互いに異なる観点から世界を捉えながら、支配構造と偏見に挑むエルファバの覚醒と、グリンダの内側の変化が描かれる。舞台は“オズの国”の災厄以前、ふたりの友情と抗争が世界の運命を左右しようとする瞬間を捉える。