あれ?
ついに、わたし福田雄一作品で、ちっとも笑えなくなってきた。
これ、どこで笑うの?
二朗さんのアドリブは「勇者ヨシヒコ」の焼き直し。
賀来賢人と岩田剛典のキャラも見飽きたパターン。
自分の作品からのオマージュ、セルフパロディ、内輪ネタ。
全部“既視感”として押し寄せてきて、観客は新しい笑いを見つけられない。
福田作品はもともと「身内芸」を観客に共有させるスタイルだったと思う。
その軽妙さがハマれば笑えた。
けれど今回は、“自己オマージュのループ”に閉じこもってしまっている。
過去の成功作に頼りすぎて、観客を置き去りにしているのだ。
そもそもイエスとブッダを戦わせる意味はどこにあったのか。
原作の魅力は“ゆるさ”と“日常”。
そこを「戦闘モノ」に塗り替えた時点で、すでに別の作品になっている。
思い出すのは舞台『モンティ・パイソンのスパマロット』。
あのときも、グダグダとして演者のアドリブの多さに呆れた。
オマージュはリスペクトであり、過去作との遊びでもあるはずだ。
だが、引用だけが前に出ると「自己模倣」にしか見えない。
結局、この映画に漂うのは“自己愛”の匂い。
監督自身が一番楽しんでいるのかもしれない。
でもわたしは、その内輪の笑いに参加できない。
そこに深い断絶がある。
松山ケンイチと染谷将太は、混沌の中でもキャラを逸脱しすぎないように演じていた。
そこだけは安心できたが、映画全体の混沌を支えるには力不足。
自己満映画を作り続けるのなら、
わたしはもう福田雄一作品をみるのをやめるだろうな。
特に、舞台は井上芳雄が出演しない限り、もう観ることはない。
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2024年日本
上映時間: 93分
配給: 東宝
製作会社: 映画「聖☆おにいさん」製作委員会
監督・脚本: 福田雄一
原作: 中村光「聖☆おにいさん」
音楽・主題歌: 音楽 瀬川英史/主題歌 Mrs. GREEN APPLE「ビターバカンス」
衣装デザイン: YOU-KO
出演者: 松山ケンイチ、染谷将太、賀来賢人、岩田剛典、白石麻衣、勝地涼、仲野太賀、神木隆之介、川口春奈、吉柳咲良、田中美久、森日菜美、安斉星来、山本美月、桜井日奈子、中田青渚、窪田正孝、藤原竜也、山田孝之、ムロツヨシ、佐藤二朗
📝 あらすじ:
神の子イエスと悟りを開いたブッダが、東京立川の風呂なし6畳一間アパートで二人暮らし。四季を楽しみ、福引やお笑いコンビ「パンチとロン毛」に笑い転げる、超ゆるい日常が続いていた。
ところがある日、天界からの使者が現れ、予期せぬ禁断のオファーが舞い込む。やがて神も仏も天使も悪魔も入り乱れ、気づけば地球滅亡の危機に巻き込まれていく……。
