わたし、戦う女が出てくる映画が好き。
特に、「怒り」を飲み込んで立ち上がる女が出てくる映画に、惹かれる。
『フュリオサ』は、まさにそれだった。
子供時代のフュリオサを演じた子役。
目に炎を宿していて、泣き叫ぶことなく、
恐怖と怒りをぐっと堪えながら、生き延びる術を黙って探していた。
あの演技が、忘れられない。
多分わたし、自分の子供時代を重ねて見てたんだろうなと思う。
あんなにかっこよくはなかったけど。
でも──
「子供が、子供らしくふるまえない環境」が、
どれだけその人の性格を歪ませるかは、よくわかる。
戦争や飢え。
“明日がくる保証のない世界”では、
子供も子供をやめて、大人のように考えないと、生きられない。
そういう目線で、この映画を見ていた。
舞台は、緑のない、砂漠のまんなかのディストピア。
全体が土色の世界なのに、細やかな色彩設計がなされていて、
絶望的な風景なのに、不思議なほど美しかった。
不潔感がないところも、このシリーズの特徴だ。
土と鉄とオイルのニオイがしそうな世界観なのに、
観ていて不快にならない。
わたし、ニオイに敏感だから、
「見た目が不潔な映画」は観てるのがつらい。
でもマッドマックスは砂漠だから安心できる。
ただのアクション映画では終わらせない、
この美術とディテールへの執念。
そういう“裏の構築力”にもグッとくる。
だけどね。
地球温暖化が進んで、雨が降らなくなって、
森林が破壊され、世界が干からびていく。
このシリーズは、1979年からずっとそれを訴え続けてるのに、
人間は何ひとつ学習しない。
映画はヒットした。
何千万人もが観たはずだ。
でも──世界は、変わらない。
最近のトランプの「化石燃料掘りまくれ」発言や、
「環境は守らん!経済優先だ!」っていう姿勢を見るたびに思う。
結局、どこまでいっても、映画は「娯楽」の枠を超えられない。
誰かの視点を揺さぶることはできても、
世界そのものを動かす力には、ならないんだよね。
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2024年|オーストラリア・アメリカ
監督:ジョージ・ミラー
出演:アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、トム・バーク、ラッキー・ヒューム、ネイサン・ジョーンズ
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