わたしが杏だったなら、どうしただろうか。
どうあの地獄から逃げようとしただろうか。
どう考えても、あんな母親とは暮らせない。
お願いだから戻ってきてと懇願されて、戻るだろうか。
あの時に、殺すだろうか。
家をめちゃくちゃに破壊して、母親に恐怖を植え付け、
マウントをとって、母を追い出し、カラダ売るなり、盗むなりして
金稼いで来いと、マウントとるかもしれない。
犯罪の証拠をかきあつめて、警察に突き出すと思う。
弁護士に相談しに行くかもしれない。
でも、こういった行動をとるには、知識がないと行動ができない。
知識がないと、被害者になりっぱなしなのだ。
これ実話ベースなんでしょ。
実話に忠実に、創作を付け加えず、確認がとれた事実だけをつなげて構成したと。
母親の虐待は咎められず、
保護した被害者にセックスを強要した杏の唯一の心のよりどころは、逮捕された。
刑事の犯罪を暴いた親切ヅラした記者は、記事を書いた後、杏と距離をおいた。
ようやく収入を得られるようになった介護施設は、コロナ化でクビ。
再勉強をしようとがんばっていた学校は、コロナで閉鎖。
マンションの隣の女は、2歳児を押し付けて失踪。
なんやかんやあって、唯一の生きる望みだった2歳児も失い。
職も、人とのつながりも失い、少女は死んだ。
自ら死んだ。
なんともツライ映画だった。
日本の貧困は、どこまで進むのだろうか。
いつから、こんな日本になってしまったんだろうか。
仕事に没頭している間に、日本がおどろくほど貧困国になっていた。
河合優実と、佐藤二朗の演技がイタイほど心に刺さる。
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2024年日本
脚本・監督:入江悠
出演:河合優実、佐藤二朗、稲垣吾郎、河井青葉、広岡由里子、早見あかり
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半年前から一緒に仕事をしはじめた20代女子が、
来年から産休に入るので、12月末までに後任をさがすので、ご迷惑おかけして申し訳ありません。
と、言うた。
日本人独特やと思うねんけど、めでたい話や、嬉しい話のときも
相手の負担を慮って、あやまるよね。この習慣、マジでやめなアカンという。
なんでこれから大変な思いをする人が、あやまるんやろうか。
しかもこの女子、よく働く女子で、人生を仕事でつぶしてるんちゃうかと心配になるほどだったので、
結婚して、子供ができるという知らせをきいて、わたしはメチャクチャよろこんだ。
仕事の面では彼女がいなくなるのは不安しかないが、
若い女子が、ちゃんと私生活を維持している話をきくのは、メチャうれしい。
しかも彼女とはまだ直接会ったことがなく、リモートばかりで、
わたしは顔出しNGなので、彼女はわたしの顔すら知らない。
それでもわたしは、メチャクチャよころんだ。
「えーーっ、さびしーーー!でも、メッチャいい知らせが聞けて、すっごく嬉しい」
というと、彼女からはじめて笑い声を引き出せた。
さらに、年末年始の繁忙期にお休みはいるのがとても申し訳ない気持ちになる。とまで言う。
今はそんな時代ちゃうから、当然の権利なんで堂々と休んでください。あなたはこれから、いちばん大変な時期を迎えるんだから、産休に入ったらすぐに仕事のことは忘れて、カラダをだいじに過ごしてください。とお伝えすると、
「そういっていただけて、こちらもすごく嬉しいです」と喜んでくれた。
ほんとうになんだろうか、会ったことない人だけど、めちゃくちゃ嬉しくて、
しばらく私まで幸せな気持ちになれた。
あと2か月半、きっちり彼女のサポートをせねば。
安心して、休めるように。
仕事的には、地獄である。
