舞台 桜の園 あまりにもなので一幕で帰る | 気むずかしい いろいろ

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2020年に東京で開演するはずだったケラ演出の「桜の園」。その後、再演の報せもなく、ケラは再演をあまりしな人だから、多分、あれは幻の公演となった。

 

そんなコトもあり、チェーホフの原作も読んだことないし、せっかくだから見てみようと思いチケットを購入。V列上手側ということもあり、豆粒鑑賞を。

 

開幕してすぐ、コレ、わたしがニガテなヤツやと。舞台美術が、簡素っちゃ簡素なんやけど、工夫も驚きもない。

 

はじまってすぐは、誰がどういうポジションの役で、どういうシチュエーションなのかをつかむのに苦戦。そして女主人ラネーフスカヤ夫人を演じる原田美枝子の演技がニガテ。第一声の声の音からアカンかった。あのキーはなんやろうな。時々、キレイな女優さんが発するキーなんだが、まったく不自然にきこえる棒読みで。大袈裟で、演劇的ではあるんだろうけど、感情がぜんぜん伝わらんというか。

 

そんでこの劇、イギリス人が演出してるのよ。だから、チグハグなんやろうな。日本語の音は、世界でも特殊で、普段から高音域なんや。なのにそれをさらにキーをあげて喋らすなんて。ものすごくイタイオバサンにみえる。モテ女どころか、キチガイ寸前にみえる。なんで老いも、若きもこのキチガイ寸前のオバサンにメロメロになる?という疑問が拭えないまま物語がすすむ。

 

大好きな川上友里と安藤玉惠がでているにも関わらず、めちゃくちゃ退屈。

 

ラネーフスカヤ夫人の兄を演じた松尾隆史が飴をなめるのだが、その舐めてる音の出し方が、落語そのもので。その音を聞くたびに、えっ?日本の江戸が舞台なの?となる。

 

なんかもう、全体的にまったくまとまってないというか、見る価値がないなと不満しかない。周りを見ると、船をこぐひと、イビキをかくひと続出。ヒドイ作品やった。

 

お腹もすいたし、買いたいものもあるし。もー、帰るか!と見切って、1幕で劇場を去った。

こんなに退屈な気持ちになったの、スパマロット以来。

 

あっちはふざけ過ぎて退屈だったのだが、こっちは日本語の音が分かってない人の日本語、勘違いと感じた。音のまとまりに欠けたのだ。

 

1幕であまり出番のなかった成河演じた大学生を、井上芳雄がケラ作で演じるはずだった。

女主人を大竹しのぶ、娘アーニャを杉咲花、兄を山崎一、養女のワーリャを黒木華、元農奴で金持ちになったロパーヒンを生瀬勝久、家庭教師を宮沢りえ。

 

こんなん、おもろいに決まってるやん。ますます悔やまれる。

 

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2023年9月17日

@森ノ宮ピロティ―ホール

■作
アントン・チェーホフ
■英語版
サイモン・スティーヴンス
■翻訳
広田敦郎
■演出
ショーン・ホームズ
■出演
原田美枝子、八嶋智人、成河、安藤玉恵、川島海荷、前原滉、川上友里、竪山隼太、天野はな、永島敬三、中上サツキ、市川しんぺー/松尾貴史、村井國夫

 

美術・衣裳=グレイス・スマート 音楽=かみむら周平 ステージング=小野寺修二 照明=佐藤啓 音響=井上正弘 ヘアメイク=佐藤裕子 美術コーディネート=岩本三玲 衣裳コーディネート=阿部朱美 演出助手=陶山浩乃 通訳=時田曜子 舞台監督=藤崎遊・田中直明
プロデューサー=佐藤玄 制作協力=伊藤達哉 制作=木村夏・山田紗綾 制作助手=古城茉理 製作=宇都宮誠樹
後援:ブリティッシュ・カウンシル
制作協力:ゴーチ・ブラザーズ 企画製作:株式会社パルコ

 

 

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この公演の後に、めまいで倒れそうになったり、鍵なくして往復したり。

散々な休日やった。