北欧の至宝とよばれるマッツ・ミケルセンの出世作にようやく手を付ける。1Season13話もあり、Season3まである。じごくのはじまり。
が、サイコパス事件がすきなので、いちいち美しい死体の見せ方に、息をのむ。これは美術部の腕のみせどころである。ディティールにこだわり、毎話タイトルとなる料理手法ともリンクさせる。ほんまに死体の見せ方、おもしろい。
主役はFBI捜査官養成学校の講師で犯罪プロファイラーのウィル。
FBIボルチモア支局で行動科学捜査を担当しているジャック。
犯罪心理の精神科医のハンニバル・レクター。
FBIコンサルタントの心理学者のアラーナ。
この4人で事件を解決していく。ちなみにハンニバルはすでに<切り裂き魔>とよばれる連続殺人事件をおこしているのだが、ほかの3名は気づいていない。
ハンニバルは捜査協力をしているフリをしながら、各事件の模倣犯をして捜査を攪乱する。また、独特の共感能力で犯人心理をひもとくウィルに興味を持ち、殺人者になるよう洗脳していく過程も見どころのひとつ。
アンソニー・ホプキンスのハンニバルとは、まったくちがうハンニバル。マッツの優雅な佇まいと、喜怒哀楽を表に出さない静かな表情は、ホプキンスとはちがう不気味さがある、おなじ狂人でも歪んだ愛を感じさせる。あれ?もしかしてウィルとBL?的なカンジも漂わす。どれだけ不意とつかれようとも、表情ひとつ崩さないが、不満な時はアヒル口をする。女殺しなオッサンである。いや、そこらへんのオッサンがアヒル口しようもんなら、後頭部一撃やけどな。
<思い出し用メモ>
・1話 Apéritif(アペリティフ) ※女子大生8人行方不明、ミネソタのモズ
・2話 Amuse-Bouche(アミューズ・ブーシュ) ※土中からキノコの生えた遺体9体
・3話 Potage(ポタージュ) ※アビゲイルはじめての殺しと父の犯罪証拠
・4話 Œuf(ウフ) ※幼児誘拐と疑似家族、アビゲイルの親友マリッサの死
・5話 Coquilles(コキーユ) ※羽の生えた死体(天使)
・6話 Entrée(アントレ) ※<切り裂き魔>再始動?訓練生の右腕
・7話 Sorbet(ソルベ) ※ハンニバルのストーカーと、臓器摘出とスカリー捜査官
・8話 Fromage(フロマージュ) ※人間楽器
・9話 Trou Normand(トゥルー・ノルマン) ※人間トーテムポール
・10話 Buffet Froid(ビュッフェ・フロワ) ※手袋のようにはがれる腕の皮
・11話 Rôti(ロティ) ※ギデオンがチルトン医師の臓器摘出
・12話 Relevés(ルルヴェ) ※アビゲイル、ハンニバルの手に
・13話 Savoureux(ザヴルー) ※ウィル、アビゲイル殺害の容疑者に
美しくて、残酷でおもしろい。
とても一人でやりきれる労力じゃないけど、ま、美しく死んでるわ。
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2013年アメリカ NBC
脚本:ブライアン・フラー
監督:ヒュー・ダンシー、マッツ・ミケルセン、カロリン・ダヴァーナス、ヘティエンヌ・パーク、ローレンス・フィッシュバーン、ジリアン・アンダーソン
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<今日のいちまい>
高速道路が重なったり、合流する場所、好き。
だけど、大きなカゲができて薄暗いから、なにかが溜まっていて、気持ち悪い場所ではある。
北海道の頭部切断親子。
まさに、ハンニバルみたいやな。
小学校の卒業アルバムで、あんだけ化粧してりゃ、自我がつよすぎて誰も近寄らんなるわ。親が悪い。甘やかしすぎ。その最たるが、この殺人事件か。「アイツ、腹立つ。殺したる。殺すだけじゃ物足らんから、生きてる間にいっぱい怖い思いさせたい。パパ、どうすればいい?考えて。・・・・首落としたら、家でおもちゃにして笑いものにしたいから、手伝って―」のような気がする。
完全な妄想。